大阪・ミナミにある「ユニクロ心斎橋店」が8月1日に閉店した。グローバル旗艦店として2010年に開業し、訪日観光客の人気スポットとなっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりインバウンド需要が激減したため、店舗の賃貸契約期間が終了するタイミングで閉店を決めたという。現在、ミナミではシャッターが閉まったままの店舗が目立っているが、訪日観光客向けの店舗が増え過ぎたことを批判する声が高まっている。
「『ユニクロ心斎橋店』は国内に4店舗あるグローバル旗艦店の1号店としてオープンし、訪日観光客をメインターゲットにした販売戦略の中心店だっただけに、閉店には驚きの声が上がっています。『ユニクロ』自体はコロナの感染拡大以降も好調な売上を記録していますが、同店は客の3割以上を訪日観光客が占めていたこともあったといい、コロナの影響をモロに受けた格好になってしまったわけです」(社会部記者)
これにネット上では、《心斎橋というかミナミはいつの間にか中国人相手のための街になってしまった。思い切り影響が出てしまったな》《ミナミはインバウンド仕様に全振りしたおかげで、完全に日本人からそっぽ向かれたね》などの声が相次いでいた。
「大阪観光局によれば、19年に大阪府を訪れた訪日観光客数は約1231万人で、ミナミにはその大半がショッピングのために訪れたとされています。しかし、コロナによってインバウンド需要が蒸発すると地価は急落。インバウンド目当てで開店したドラッグストアなどは軒並み撤退していったのです。一時期、ミナミはインバウンドの成功例として持て囃されていましたが、今となっては失敗だったと言わざるを得ない状況ですね」(同)
地元客を呼び込んで、何とか立て直してほしいところだ。
(小林洋三)