どうやら「ユニクロ」に対するイメージは、世代間によって大きく異なるようだ。
興味深いのは、特に若年層の間ではユニクロに対して「安い」というイメージを持っていないこと。一方で中高年世代は、ユニクロが市民権を得るきっかけにもなった「フリース」の激安価格の印象が強く、今でもお手軽なファストファッションと考えているようだ。
実際、SNS上では“ある投稿”に対する反応が真っ二つに分かれている。
「ユニクロで手に取ったニットが12900円だった ユニクロに12900円のニット置くな」
この投稿者がいう1万2900円のニットというのは、先ごろユニクロが発売した英国ブランド「アニヤ・ハインドマーチ」とのコラボ商品「カシミヤクルーネックセーター」のこと。100%カシミヤ素材かつコラボ商品のため、1万円超えのプライスが付けられている。
たしかにこれまでのユニクロのイメージからは考えられない価格ではあるが、100%カシミヤ素材のセーターは、他ブランドでは2万円以上することから、かなりの破格ともいえる。多くの若年層は納得しているようだが、一部の中高年層にとってはまさに衝撃価格だったというわけだ。
かつて「普通でいいから安い服がほしい」という人に刺さったユニクロだが、今ではその役割はユニクロの7割程度の価格帯に設定された「GU」に移っている。ユニクロカタログページには、2万円近くする「シームレスダウンコート」や、「ウールカシミヤチェスターコート」がラインナップされており、若年層にとってはもはや手が届きにくいメーカーになっているようだ。
激安フリースの時代で止まっている中高年者は、そろそろ認識のアップデートが必要なようだ。
(ケン高田)