「ユニクロ」客を奪う?「しまむら」快進撃裏に“レジ袋無料”の好印象

 3月15日、衣料品チェーン大手の「しまむら」が、2021年2月期(20年2月21日~21年2月20日)の連結業績予想を上方修正したと発表した。純利益は261億円に上方修正されたことで当初の予想からおよそ2倍となり、ネット上では驚きの声があがっている。

「しまむらの21年2月期第1四半期(20年2月21日~5月20日)は新型コロナウイルス感染拡大による臨時休業が相次いだことで、純損益12億円と四半期決算としてははじめての赤字となっていましたが、同第3四半期(20年9月21日~11月20日)は純利益が110億円と前年同期比で3.6倍にもなっていたため、連結業績もかなり上向いたと見られています」(経済ジャーナリスト)

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングでさえ20年9月1日~20年11月30日の四半期利益は前年同期比でほぼ横ばいだったにも関わらず、しまむらの快進撃にネット上では《コロナ禍でアパレルは冬の時代と言われているにも関わらず、純利益2倍は純粋にスゴいと思う》《しまむらはだいたい駐車場も完備されてるし、レジ袋も用意してくれてるから利用しやすい》《ユニクロは紙袋に10円も取るから、レジ袋無料のしまむらに流れた可能性も十分にある》といった声があがっていった。

「しまむらは郊外に多くの店舗を持ち、ショッピングモールなどへの出店は少なめなので、コロナによる臨時休業などダメージは比較的少なかったこともありますし、住まいの近くで衣料品を揃える人が増えたことも追い風となったと見られています。また、ネット上で指摘されている通り、しまむらは無料でレジ袋を提供していることも影響している可能性は十分にありますね。レジ袋の有料化によってエコバッグの利用率はかなり高まっていますが、それはスーパーやコンビニなど主に食料品に購入する場合で、衣料品を購入する際にエコバッグを利用する人はそれほど多くないのが現状のようです。そのため、どうせならレジ袋を無料でくれるしまむらで買い物しようと考える人も少なくないのです」(経営コンサルタント)

“庶民の見方”の好印象がジワジワ効いているのかもしれない。

(小林洋三)

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