東京五輪のボランティアスタッフに支給されている大会用のユニフォームなどがフリマアプリに相次いで出品されていることが分かり、加藤勝信官房長官は7月14日の記者会見で苦言を呈した。
「フリマアプリの『メルカリ』で、『東京オリンピック ボランティア』と検索すると出品されたボランティアユニフォームが大量にヒットし、すでに売れた商品を見るとだいたい1万~2万程度の価格で取引されています。NHKの報道によれば6月1日までに約1万人がボランティアを辞退していますが、この辞退者からフリマアプリに出品されていると見られ、加藤官房長官も『ユニフォームは大会ボランティアに貸与されているもので、辞退した場合には返還する取り扱いになっている』と、出品をやめるよう呼びかけています」(スポーツライター)
大会組織委員会もフリマアプリへの出品は「把握している」といい、ボランティアに支給されたユニフォームは第三者に譲渡しないよう参加規約で定められているため、規約を破った場合は大会ボランティアの登録・参加を抹消する場合もあると説明。
しかし、これにネット上では《フリマに転売するやつが登録を抹消されても痛くも痒くもないだろ》《転売してるやつはもともと本気でボランティアに参加しようと思ってないって》《最初からグッズだけが目当てで登録しただろうし、抹消は何の意味もなさない》《登録抹消が対策だと思っているなら組織委はアホすぎる》など厳しい意見が相次いでいる。
「指摘されている通り、フリマアプリに出品している人たちは転売が目的で最初からボランティアに参加する意思がない人も一定数いると考えられるので、登録を抹消すると言われても転売は減らないでしょう。そもそも、新型コロナウイルスの感染拡大で昨年から転売ヤーが社会問題になっていたにも関わらず、有効な対策をしてこなかったというのは問題ではないでしょうか。購入者がボランティアユニフォームを悪用する可能性も十分に考えられ、今からでも厳しい対策を講じる必要はあると思います」(ITジャーナリスト)
大会に偽物のボランティアが紛れ込まなければいいが…。
(小林洋三)