「投手・大谷VS打者・大谷」究極5番勝負(2)iPadで打者を徹底研究

 いよいよ第2打席だが、ここで角氏は「ホームランの打ち損じがヒットになるぐらい前例にない選手。一発はやむなし」と、大谷攻略法を伝授する。

「まず、定石としてはアウトローを攻めること。2球中1つでもストライクが取れれば、序盤で投手優位に立てます。そこからは高めのストレートと低めのスプリットのゴリ押しです。一発を覚悟することになりますが、インコース高めのストレートさえ決まれば、後のスプリットで容易に空振りが奪えるはずです」

 角氏の狙い通り、2打席目の大谷は、インコース高め158キロのストレートでカウントは2─2。最後はアウトコース低めのスプリットで空振り三振に仕留めた。角氏も今シーズンの投手・大谷は、二刀流による疲れがかなり蓄積していると指摘する。

「ギアを一段階上げても思い通りの球を投げることができましたね。でも、ここ最近は、投球フォームがリリースよりも先に左に流れる傾向があって、ギアチェンジ後に制球が定まらない試合がありました。そりゃ、毎日試合に出続けていれば蓄積した疲労は計り知れませんよ。通常の中4日休むスケジュールでも、好不調の波は訪れるものですからね」

 続く3打席目は、研究熱心で知られる投手・大谷の事前研究が奏功する展開となった。

 ストレートとスプリットのコンビネーションで早々に追い込むと、最後はインコース膝元に抜けるカーブで空振り三振。鋭いスイングによる轟音だけが球場内に鳴り響いた。これで連続2三振の快刀乱麻だ。在米スポーツライターが明かす。

「打者・大谷にも弱点があります。ツーストライクに追い込まれた後の内角低めカーブに弱い傾向があります。手持ちのiPadに対戦相手のデータをビッシリ詰め込んで、試合中のベンチはもちろん、移動や食事の時間にも研究を欠かさない大谷ならば、事前に己の弱点を丸裸にするはずです。徹底的に苦手なコースをついて、三振の山を築いていくでしょう」

 現在、投手・大谷の「9回を投げて何個の三振を奪えるか」を表す奪三振率は、11.68。7月9日時点で規定投球回未満ではあるが、ア・リーグの4位に相当する数字を叩き出しているのだ。この大健闘を前に角氏は意外な提言をする。

「これだけ三振を奪えるならば、クローザー起用も見てみたい。トラウトら主力を欠いたエンゼルスの得点力では、2回登板して1つ勝ち星がつけばいいところ。現状が4勝1敗では、1919年にベーブ・ルースが記録した9勝5敗を上回るのはなかなか厳しい。チーム事情から配置転換は難しいかもしれませんが、後半戦はDH&クローザー起用で勝ち星ではなくセーブ数を稼ぐ道もあります。おそらく25セーブは堅いでしょう。ヤンキースのチャップマンより速いボールを投げる日本人が生まれるかもしれませんよ」

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