もっとも、誰よりも割を食うのはアスリート本人だろう。選手たちのマネージメントを手がける会社の役員によれば、
「東京五輪の中止がモチベーションの低下を招き、まだ活躍できる若い選手の間でも引退ラッシュが起こるのは避けられません」
続けて長期間にわたる調整の難しさを指摘して、
「もともと昨年の夏にピークを持ってくるよう準備してきたアスリートにとって、1年の延期でも厳しいのに、次の目標が3年後のパリ五輪になるというのは引退勧告に等しい。過去に五輪で金メダルを獲得している日本人現役選手は『コロナが長引けばパリ五輪すら中止になるかもしれない』と不安を口にしていました」
晴れ舞台が遠のけば、金銭面でも窮地に追い込まれていくはずだ。
「マイナー競技の場合、世界クラスで活躍している選手でも生活のためにアルバイトをしているのが現状。企業からの支援金を活動費に充てて、なんとかやりくりしている。開催中止となれば多くのアマチュアアスリートがサポートを打ち切られる可能性もあり、競技の継続が困難になります」(マネージメント会社役員)
背に腹は代えられない。女性アスリートの中には、こんな極め付きの事例も報告されている。
「収入確保のために肌見せ度の高いカレンダーを売るのが恒例の海外女性アスリートのように、日本でも肌見せを解禁する美女アスリートが出てくるのではないでしょうか。過去には、陸上の中西麻耶選手(35)が〝義足ヌード〟を公開して渡航費用を稼ぎ、ロンドンパラリンピック出場を果たしましたが、パリ五輪を目指す『現役アスリート兼セクシー女優』が続出してもおかしくありません」(マネージメント会社役員)
いずれも、収入激減によって引き起こされる最後の手段と言えよう。
それでは、東京五輪の中止で、街の様子はどう変わるのか。
「自宅のテレビで五輪中継を見る予定がなくなることで、五輪開催時よりも全国的に人出が増えるでしょう。秋にもコロナ第5波の到来が予想されることから、できるだけ外出を避けたほうがいいのですが‥‥」(シンクタンク関係者)
五輪開催強行か中止か、どちらに転んでも、お先真っ暗のようだ。
*「週刊アサヒ芸能」6月3日号より