昨年はコロナ禍にあって映画が苦戦を強いられる中、それでも「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットで、2021年2月期の決算を予想から210億円も上方修正して東宝がその恩恵に預かったが、今年は東映にその番が回って来るかもしれない。あの国民的特撮ヒーローが誕生してから50周年を迎えるからだ。
「今年50周年を迎えたのは仮面ライダーです。特撮テレビドラマがスタートしたのが1971年の4月3日なので、つい先日に誕生から還暦を迎えたことになります。そこで、ずっと製作に当たってきた東映はその記念日に生誕50周年の企画発表会を開催、その場で仮面ライダーWの続編マンガのアニメ化と仮面ライダーBLACKのリブート企画、そして『シン・仮面ライダー』の映画製作が発表されました」(サブカルライター)
まずはアニメだが、これは平成仮面ライダーの中でも人気だった「仮面ライダーW」のその後を描いたマンガの「風都探偵」をアニメにするというもの。同マンガは2017年8月から「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載中のマンガだ。
次に1987年にスタートした名作とされる「仮面ライダーBLACK」だが、シリーズを仕切りなおして新たに作り直すリブート作である「仮面ライダーBLACK SUN」が22年春のスタート予定で製作される。監督は白石和彌氏で、「凶悪」や「孤狼の血」で日本アカデミー賞の最優秀監督賞を受賞している実力派だ。
そして「シン・仮面ライダー」だ。こちらはタイトルから伺える通り、あの庵野秀明監督の手によるもので、今回の一連の50周年企画の目玉とされている。実写版で公開予定は23年3月と、ちと先の話だが、どんな世界観に作り上げられるのかが注目される。
その他、東映では京都の太秦映画村でも記念イベントの「仮面ライダーEXPO」を4月17日から夏まで開催する予定だ。イベントの第1段として、体験型イベントの「仮面ライダー研究所」の開設やグッズストアの「仮面ライダーストア映画村」の開設、3D映像とキャラクターショーの「仮面ライダー3D大決戦!」が5月16日までの土日祝に開催される。
「庵野監督で言えば、現在公開されている『エヴァンゲリオン新劇場版』の完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が3・4日の週末の興行収入ランキングで首位となって、4週連続のトップに君臨し続けて好調。興収68億9000万円を突破してシリーズ記録を更新中です。キャラとしての仮面ライダーは50年間にわたって人気を得てきたわけですから、昭和・平成を通じた子供と大人の分厚いファン層がいるのでかなり期待できるでしょう」(前出・ライター)
コロナ禍の影響で今季純利益が77%も落ち込んだ東映。果たしてライダーで挽回となるか。
(猫間滋)