ミルクボーイと借金芸人、「エヴァ」をつなぐナニワの名門校とは?

「芸大」といえば、東西で異彩あふれる有名人を多く輩出している。東京藝術大学からは狂言の野村萬斎、ミュージカルスターの井上芳雄、音楽家の坂本龍一、バイオリニストの葉加瀬太郎ほか、世界を股にかけて活動する者が目立つ。一方、関西の大阪芸術大学出身者は俳優の古田新太、小説家の中島らも、「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明、「パタリロ!」「翔んで埼玉」を生んだ漫画家・魔夜峰央ほか、やはり天才型が多い。

 この“関西の芸大”は人気芸人を数多く輩出していることでも知られている。「M-1グランプリ2019」優勝コンビのミルクボーイは、内海崇(35)が映像学科、駒場孝(35)が放送学科出身。ともに落語研究会(落研)だ。

「在校時、駒場は同級生と『芸大亭キング』というコンビを組んでいて、2カ月遅れて内海が入部。その才能にホレた駒場は解散を申しでて、内海を相方にしました」(エンタメ誌ライター)

 2人は、入学1年目にして教室でネタ見せをしていた。新入生歓迎会でその漫才を見て入部を決めたのが、ななまがりの初瀬悠太(34)、森下直人(34)だ。テレビ出演こそ少ないが、「キングオブコント2016」のファイナリスト。森下は「R-1ぐらんぷり2020」の決勝戦進出者でもある。芸大時代、おもしろさでミルクボーイを上回っていたという。

 ななまがりの後輩にあたるのが、空気階段・鈴木もぐら(33)。「キングオブコント2019」のファイナリストだ。

「テレビ出演が増えた今なお、借金700万円を抱えたままのもぐら。金銭面でのだらしなさは芸大時代からで、ギャンブルで当てた金で入学したはいいが、在学中に法改正があってスロットに規制がかかり、負けがこんでしまった。学費を払えなくなり、1年で除籍しました」(前出・エンタメ誌ライター)

 フリーターになったあとは夜のサービス業に足を入れ、受付業務に携わった。吉本興業のタレント養成学校NSCの入学金は、その夜のサービス店の社長に借りたという。

 M-1王者、「キングオブコント」とR-1ファイナリストを生んだナニワの芸大。次に続く個性派は一体誰だ!?

(北村ともこ)

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