〈日本薬イベルメクチン、新型コロナ致死率80%減少効果〉
英国「デイリーメール」が1月に報じて以降、“奇跡の治療薬”として注目を集め、ジェネリック薬も含めてネットサイトで販売されている「イベルメクチン」。だが、コロナ治療の代用薬品は、これだけではない。痛風薬「コルヒチン」、糖尿病薬「メトホルミン」、さらには大阪・吉村洋文知事の発言で有名になったうがい薬「ポビドンヨード」なども並んでいるのだ。どうして、効果が確定していない薬がもてはやされる事態になるのか。
「新しい病気に対して新薬をゼロから開発する場合、マウス、ラット、ウサギ、サルなど順を追って動物実験をクリアしたあとにようやく人間に投与されるという長い工程を経るため、実際に市場に出るまでに10年はかかってしまう。そこで、新たに薬を合成するよりも既存の薬の中で有効なものを探すことになる。今回の新型コロナでは試験管内薬内で有効だったのが抗HIV薬の『カレトラ』、抗マラリア薬の『クロロキン』でしたが、いずれも人体では有効ではありませんでした。唯一、そこそこ有効だったのがレムデシビルだったわけです」(医療に詳しいジャーナリストの村上和巳氏)
日本では、早くから注目されて、実際に医療現場での治療にも使用されたのが、富士フイルムが開発した「アビガン」だった。しかし、政府は昨年12月に、その有効性の判断が難しいとして承認を見送っている。
「アビガンは、新型インフルエンザの薬として承認を受けています。最近の中東クウェートでの試験では、偽薬よりも2.8日早く回復する結果が出されています。ただしアビガンには副作用として妊婦、男性でも性的行為をした場合に子供への催奇形性が確認されているのです」(村上氏)
それでも、富士フイルムは4月から再び、国内で臨床試験を実施すると発表している。
「新型コロナの症状は、感染して体内でウイルスが増殖することにより、肺などに炎症が広がっていく。しかし、ある一定のラインを超えると、ウイルスを減らせたとしても炎症自体が暴走して重症化することになる。デキサメタゾンはこの炎症を抑える薬になります。一方、イベルメクチンはウイルスを減らす効果があるとみられているのですが、はたして‥‥」(村上氏)
河野太郎ワクチン担当大臣は、遅れが指摘される高齢者へのワクチン接種を6月末までに完了すると発表した。一方で、1日も早いコロナ治療薬の開発が期待されているのである。
※「週刊アサヒ芸能」3月11日号より