「息子がサッカーチームに入っているのですが、チームメイトのママさんの“色目使い問題”で、チーム内の空気が微妙になったことがありました……」
そう語るのは、都内在住の主婦、荻原景子さん(仮名・34歳)。小学生の低学年と中学年、2人の息子を通わせるサッカーチームでの話だという。
「問題になったのは、下の息子と同じ学年の子のママAさん。彼女は20代で自分よりもだいぶ若かったのですが、入った時期も近かったので、比較的仲良くしていたんです。雰囲気は女優ののんを華奢にした感じかな。初めのうちは気づかなかったんですけど、男の人に対して、すごく甘え上手なタイプなんですよね。子供の自主練習のこととかをコーチに相談に行くんですが、何ていうか、距離が近いっていうか…。コーチがまた、新婚なんですけど、若いシュッとしたイケメンでして。ママたちの中では、コーチとの距離感って暗黙の了解があるんですけど、それをスッと飛び越えるっていうか。旦那さんが単身赴任中っていうのも、『なんかマズくない?』って印象を後押ししてたかもしれません」
コロナ禍においてソーシャル・ディスタンスがさけばれる中、Aさんとコーチの不自然な“距離感”はいっそう目立ってしまったのかもしれない。ただでさえ、炎天下の猛暑での練習。見学に訪れる父母はマスクの着用が求められ、ふだんよりも大きなストレスを感じていたため、Aさんに“疑いの目”が向けられたようだ。
「まあ、それだけだったらいいんですけど、Aさんの子供が、明らかに実力を飛び越えてレギュラーの良いポジションをもらえたり…みたいなことがあって。段々と、ママたちの間で『あれ、コーチに色仕掛けしてるからだよね…』みたいな陰口が広がって、ママたちの間の空気がギクシャクしてしまって。一度、そう言う目で見ちゃうと、たまに練習を見にきてる自分のところの亭主との距離までも近いような気がし出して……。変に意識しちゃうんですよね」
そうしてAさんの存在は、サッカーチーム内だけでなく、父兄の夫婦の不和をも引き起こすことになったという。
「ママたちの中でAさんが浮いているのが、さすがに誰の目にも明らかになってくると、パパ陣が庇うんですよね。『イジメてるんじゃないか』とか『子供の前でなんだ』とか言って。そうするとこっちもムキになっちゃって、あちこちでつまらない夫婦のイザコザが勃発するようになって……。結局、Aさんがコーチやパパと何かあったという話はなかったんですけどね。けっこう鈍感だと思っていたAさんも、なんとなく“村八分”のような空気を察して、何か言ったのかどうかはわかりませんけど、そのうち彼女の子供がチームをやめてしまったんですね。それでなんとか終息しましたけど、変なシコリはしばらく残りましたね」
けっして不貞をしたわけではないが、子育てコミュニティの中での男女の微妙な空気は、トラブルの元となることが多く、要注意かもしれない。
(オフィスキング)