巨人・菅野「開幕9連勝」に暗雲!? 神宮・ヤクルト戦が「鬼門」と言われるワケ

 真価が問われるのは、次回登板・8月25日となりそうだ。

 巨人の菅野智之が開幕8連勝となる完封勝利をおさめたのは8月18日。完封は早くも今季3度目。開幕8連勝は自身初であり、球団では1990年の斎藤雅樹氏以来となる。味方打線が2安打以下、スコアは1-0という厳しい展開で完封投手になったのは、巨人では1973年の高橋一三以来、47年ぶりだ。

「菅野の好投に称賛の声が止みません。原辰徳監督も『1対0で勝つのと負けるのとでは天と地ほどの差がある』と興奮していました」(スポーツ紙記者)

 そんな絶好調ぶりだが、次回登板は一筋縄でいかないかもしれない。菅野にとって「鬼門」とも言うべく、苦手の神宮球場が舞台となるからだ。

 完封勝利をおさめた18日は、過密スケジュールに対応するため、「中5日」での登板となった。次回登板も中5日となった場合は8月24日となるが、同日は前日まで行われるマツダスタジアムでの3連戦の予備日であり、そのためにエースを帯同させるとは思えない。

 したがって、次回登板は「中6日」、翌25日から始まる神宮球場でのヤクルト3連戦の初戦と見るべきだろう。

「今季2度目の先発登板となった6月26日、神宮球場で痛い目に遭っています。6回に突然乱れ、5失点KOとなりました。その試合では逆転勝利を収めたため、負けはつかなかったものの、菅野と神宮球場の相性は良くありません。通算で10試合に登板し、1勝しか挙げていません」(ベテラン記者)

 神宮球場はそのマウンドおよびグラウンドの形態上、「ホームベースから外野手の足元が見えないほど複雑な傾斜がある」と言われ、距離感が取りにくいとも言われてきた。しかし、菅野は首都大学リーグの東海大学の出身であり、神宮のマウンドも経験してきたはず。東京六大学リーグ出身の投手ほどではないが、神宮球場の特徴は知っており、苦手とするのはほかにも理由がありそうだ。

「マウンドからホームベースまでの距離感がつかみにくいと話すピッチャーは菅野以外にもいます」(前出・ベテラン記者)

 この25日からの3連戦でヤクルト打線が菅野に土をつけられなかった場合、10月20日まで神宮球場での巨人戦はない。菅野を打ち崩せるかどうか、ここで巨人の独走を止めることができなければ、セ・リーグのペナントレースは面白みに欠けたものになるかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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