「最初はキレイで楽しい素敵なママ友って感じだったんです。でも、気がついたらホント、怖い人だったな…って。なんて言うか、ちょっと気を許していると、どんどん精神的に支配されていっちゃうんですよね」
そう語るのは埼玉県在住で、小学生の子供を持つ主婦・緑川香苗さん(仮名)、32歳。“怖いママ友”と出会ったのは、子供を通わせていた保育園だったという。
「Aさんはシングルマザーなんですが、子供の父親と別れたいきさつとかも明るく話すようなあっけらかんとしたタイプ。人を惹き付ける魅力があって、数人のママグループの中心でした。そのうち、Aさんが『新しい出会いがほしいから、手伝ってよ』と冗談まじりに言うようになって、周りもどんな人がいいとか盛り上がってました。
そのグループで、時々、Aさんを中心に飲み会もしていたんですが、ある時、Aさんが『知り合いの男を呼ぶ』って言い出して。しばらくすると3人の男性がやってきました。遊び人風の男性たちで、ちょっとマズいな…と思ったのですが、周りのノリもあって、反対もできなくて。そのうち場が盛り上がって、Aさんと男の人たちがゲームみたいのをはじめて、負けた人がお酒を飲まされたりしているうちに、みんなかなり酔ってしまって。気がついたら、Aさんやまわりのママたちもキスをしていたり、身体を弄られていたり。私も同じように…。さすがにそこ止まりで、解散したんですが…」
久しぶりの異性との交遊で大ハシャギしたのは事実だが、ひとときの“無礼講”のつもりだった。しかしその後、Aさんとの関係が変わっていったという。
「あの時は場の雰囲気で流されてしまいましたが、シンママのAさんと違って私たちは家庭があるから立場が違うんですよね。夫にバレたら困るわけで。Aさんはそれをわかっていて、グループ以外のママたちの前でも軽くその日の“不貞キス”とかを匂わせるような冗談を言ったり…。それから、Aさんからの集合がかかることも増えていって、そこにまた男性を呼ばれて、弱みが増えて、断れなくなり…という悪循環になっていったんです」
飲み会だけならまだガマンできたかもしれないが、どんどん高圧的な態度を取るようになると…。
「そのうちAさんの勧める高額なサプリを購入させられたり、マルチまがいの高級健康食品の購買グループに加入させられたり…。昨年、子供が小学校に上がっても、うちは学区が同じだったんで逃げられなくて。コロナ自粛で少し距離を置けたのが幸いでした。これを機に対策を考えなくちゃ…と本気で思っています」
子育ての楽しさや苦労をわかち合うために作ったママ友が、家庭を壊す要因となっては本末転倒である。ママ友選びは慎重を期したい。
(オフィスキング)