今年のプロ野球はおよそ3カ月遅れで開幕しましたが、最初のうちはテレビ中継を見ていても、ガランとした無観客の球場に違和感を覚えたものです。
野球に限らず、コロナ禍におけるイベントは、極力「密」を避けるなど、徹底した対策が求められています。そうした状況で注目される取り組みがオンラインイベント。最近は音楽ライブやトークショーなどさまざまなイベントがネット配信されています。
イベントビジネスは転換期を迎えていると言っていいでしょう。そこで今回、ご紹介したいのが「イベント検定」。催し物の企画や運営などに関するノウハウが学べる検定です。
それでは例題を見てみましょう。
〈問1〉2011年に配信され、7000万人以上が視聴したとされる「世界で最もストリーミングされたイベント(ギネス認定)」は【1】FIFA女子ワールドカップ、【2】レディー・ガガのニューヨークライブ、【3】ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式、【4】東京国際アニメフェアのうちどれ?
〈問2〉イベントには5つの必須条件があるといわれています。「目的の存在」「非日常性」「場の創出」「コミュニケーション表現・活動」に加えて、あと1つは【1】公共性、【2】密室性、【3】偶発性、【4】計画性のうちどれ?
実際の問題はマークシート方式の筆記試験で出題されます。試験開催地は東京や大阪など各会場。例題の答えは〈問1〉が【3】、〈問2〉が【4】となっています。
〈問2〉について補足すると、イベントは計画性があって初めて意味を持ちます。もし行き当たりばったりで開催すれば、それはもはやイベントではなく、アクシデント・インシデント(事件・事故)となってしまいます。
大切なことは、場をコントロールすること。観客に告知なしで開催されるゲリラライブもありますが、運営サイドはしっかりと事前に準備をして、事故の防止に努めています。
これは私見ですが、イベントを成功させるためには、どれだけ参加者の身になって考えるかが重要。私は以前、勤めていた会社では人事を担当しており、社員研修や新卒向けの説明会などの企画・運営に携わっていたこともあるため、そうした思いが強いのかもしれません。
今はまだコロナの影響で、率先して社内イベントを開催する時期ではありませんが、いずれは研修会や歓送迎会などを任された際、この検定で培った知識は必ず役に立つはず。
ノウハウを身につけたらイベント業で独立するのも手かもしれません。
新型コロナが流行する前は、年収1000万円というフリーランスのイベンターも珍しくありませんでした。前述したように、これからはオンラインイベントの需要がますます増えてくるでしょうから、考え方によっては、またとないビジネスチャンス。
コロナ後を見据え、「おもてなし力」を身につけてはいかがでしょうか。
儲かる指数:78
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は約700。