人気脚本家・坂元裕二さんが演出を手掛ける朗読劇に、福士蒼汰さんや小芝風花さんら豪華キャストが出演することが発表されました。ふだんは身振りや表情で役を演じる俳優さんが、「声」だけでどうやって物語を伝えていくのか、とても興味をそそりますが、朗読劇の読み手には相当なスキルが求められそうです。
近年、注目されるのが音声コンテンツの需要拡大。あるシンクタンクの調査によれば、2018年に50億円規模だったオーディオブック市場は、2024年には5倍以上に達する見込みだそうです。実際、家事や運動と並行して、耳で〝ながら読書〟をする人は増えているのではないでしょうか。
そこで今回ご紹介するのは「朗読検定」。文字通り、朗読のスキルや表現力をはかる検定です。
今回はクイズを出したいと思います。
〈問〉上手に朗読を行うための3つのポイントはアクセント、イントネーションと、もうひとつは【1】プレスコアリング、【2】プロミネンス、【3】エチュード、【4】アドリブのうちどれ?
実際の試験は、アクセントや発声方法の知識などを問う筆記試験と、実技試験からなります。クイズの答えは【2】。これは文章の中で、とくに相手に伝えたい部分を強調することを指し、これらのポイントをおさえたうえで実技試験に臨みます。
朗読のスキルが生かされる仕事といえば、アナウンサーやナレーター、司会者などが思い浮かびますが、一般読者の皆さんの中には「いったい何の役に立つの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、たとえば子育て中の人は、子供に絵本を読み聞かせることもあるでしょう。絵本は子供の情操教育に欠かせないものとされているので、上手な朗読で、より感情豊かな人間に育つかもしれません。
プレゼンの会議で資料を読み上げるのも朗読のひとつ。モゴモゴと小さい声で話すよりも、よく響く声量でハキハキと発声したほうが、上司や取引先に好印象を与えるのは明白。この「朗読検定」は、上級者向けの1級から4級までありますが、たとえ基礎的な実力をはかる4級でも、合格すれば自信を持って会議で発言できるはず。
また、朗読力を身につけてユーチューブやクラブハウスなどで音声配信を行えば、収益化できる可能性があります。実際にユーチューブを覗いてみると、芥川龍之介や宮沢賢治といった文豪の名作を朗読する動画が目につきます。動画といっても、画面はイメージ画像が流れているものが大半で、これなら動画編集に自信がない初心者でも参入できるかもしれません。変わったところでは、ネット掲示板に投稿された怪談話を読み上げる配信も人気で、登録者数が5万人以上というチャンネルもあります。
顔を出さずに声だけで勝負する朗読ならば、サラリーマンの〝秘密の副業〟にもうってつけかもしれません。検定を通じて朗読力を磨いてみては?
儲かる指数:85
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は約700。