新型コロナウイルス拡大による緊急事態宣言と在宅要請によって、急速に普及して、そのシステムも整いつつあるテレワーク。これを機に、希望者は通常勤務もテレワークにしてしまおう…という企業も現れている。
通勤日を週1回などと決めて、それ以外をテレワークにするという折衷案を採用する会社も少なくない。そうした中、都心からの移住を考えているサラリーマン世帯が増えているという。家賃も物価も高い都心に住むのは、あくまでも通勤の便の良さを考慮してのこと。その通勤がほぼ必要ないとなれば、都心に住んでいる理由はなくなる。
しかしコロナ不況がさけばれるなかで、家賃や住宅ローンは最低限に抑えたい。そこでにわかに注目を集めているのが「事故物件」だという。殺害事件や自死、孤独死などがあった家や部屋である。住宅情報サイト編集者に話を聞いた。
「ひとえには近年、事故物件という言葉が一般化したことで、抵抗感が薄らいだという背景があるかもしれません。8月には、亀梨和也さん主演の映画『事故物件怪談 恐い間取り』の公開も控えており、事故物件の認知度はさらに高まっていくと思われます。賃貸にしろ購入にしろ、事故物件の“値引き具合”はそこで何が起こったかによって変わります。相場だと殺害事件で5割引き、自死で3割引き、孤独死や自然死は発見にいたるまでの日数も影響しますが、1〜2割引きといったところです。都心や駅前など立地のよい人気物件は価格が下がりにくく、もともと不便な立地にあった不人気物件が事故物件となった場合はグッと下がりやすいという傾向があります」
事故物件の上手な探し方や、注意点などについても教えてもらった。
「事故物件というのは不動産業者も基本的には扱いたがらないものですので、あえて探そうとすると意外と難しいものですが、事故物件だけを集めた専門の不動産サイトがあります。事故物件の種類を『殺害』『火事・事故』『孤独死』など細かくカテゴライズしているので、気になるポイントとのすり合わせがしやすいかと思います。千葉県内の3LDKの中古戸建が300万円以下で売り出されることもあるので一度覗いてみるといいかもしれません。賃貸や購入の際の注意点ですが、見過ごされがちなのが、事故物件を気にするのは自分達だけではないという点です。近所付き合いや、子供の友人つき合いなどに影響する場合もあります。できればその物件が地域でどう感じられているかまで把握できると安心です」
他人が躊躇する物件の中にこそ掘り出し物があるというもの。霊感皆無のご家族は一度検討してみてはいかがだろうか。
（オフィスキング）
