坂本勇人と大城卓三は“冷や汗”をかいたのでは? 両選手が6月16日、東北楽天との二軍練習試合で復帰した。1番・指名打者で出場した坂本は第2打席でセンター前に鋭い打球を放っており、3番・一塁で出場した大城もヒットこそ出なかったが、「守備にも違和感なく入ることができた」と、“実戦感覚”を失っていなかったことを確認していた。
「同じく16日、一軍は少しでもチームの士気を本番モードに近づけるため、千葉ロッテと練習試合を行いました。この時期に坂本と大城を二軍戦に出場させた狙いは、近いうちに一軍合流させたいからでしょう。開幕スタメンの可能性もゼロではありません」(スポーツ紙記者)
しかし、開幕スタメンはスンナリとは決まらないだろう。坂本の離脱後、その代役でショートに入った3年目の湯浅大が奮闘している。6月の練習試合の期間中、原辰徳監督はその湯浅を試合途中からセンターに代えた。「坂本の本格復帰後も打撃好調の湯浅も使う」というメッセージとも解釈できるが、かねてから「坂本が元気なうちに、その後継者のメドをつけておくべき」と指摘する声はあった。
「若手が活躍すると、チームが活気づくものです。思い切って、湯浅を開幕スタメンで使い、坂本は万全を控えにまわすのではないかという声も聞かれました」(プロ野球解説者)
同日の二軍戦だが、坂本、大城ともに「一刻も早く復帰しなければ」と焦りにも似た気持ちを抱いていたのではないだろうか。
ファームではショートを守る機会が多い増田陸は、6月16日の練習試合で先制の3点二塁打を放った。また、阿部慎之助二軍監督は「4番捕手・岸田」の打順を組んでおり、“打撃力のある捕手”と位置づけられていた大城も「油断大敵」と思ったはず。今季は先発投手陣にやや不安があるものの、巨人の選手層の厚さは際立っている。
「阿部二軍監督の真の狙いは、坂本たちを発奮させることだったのかもしれません。今年1月の自主トレに、坂本は湯浅を連れて行きました。湯浅は坂本の練習量に圧倒されましたが、この時点で、湯浅が坂本の開幕スタメンを脅かすとは誰も予想できませんでした」(球界関係者)
坂本、大城の奮起をうながすために、原辰徳監督も「開幕遊撃・湯浅」を選択しそうだ。
(スポーツライター・飯山満)