デビュー時のキャッチフレーズに今、斉藤由貴は何を思う!? 21世紀も20年近く経過した今、20世紀アイドルのキャッチフレーズをあらためて振り返ってみてみるとグッとくるものがある。
1985年にデビュー(84年に芸能界入り)した斉藤由貴のキャッチフレーズは、「時代だって、由貴に染まる。」だった。32年の時を経て、昨年ワイドショーをスキャンダラスに染めたのは何とも皮肉な話(とはいえ25年ぶり3度目ですが)だ。85年デビュー組では、「まだ誰のものでもありません」のキャッチフレーズでデビューした井森美幸もいるが、未だ特に浮いた噂もなく、初志貫徹している模様。何とも味わい深い、20世紀アイドルのキャッチフレーズをさらにプレイバックしていこう―。
●薬師丸ひろ子「ひろ子という字 何度ノートに書いたっけ」(78年デビュー)
角川映画のヒロインとしてデビューし「お父さん、怖いよ」「カ・イ・カン」等が流行語に。
●酒井法子「おキャンなレディ」(87年デビュー)
今やすっかり死後となった「おキャン」とは、「若い女性が活発で、軽はずみなこと」。あえて説明するまでもないが、その後「軽はずみ」では済まされない事態に。
●高橋由美子「20世紀最後の正統派アイドル」(89年デビュー)
デビューした89年は、未曾有の「アイドル氷河期」。おニャン子クラブが解散し、モーニング娘。の登場を待つ谷間の期間に、並々ならぬ期待を込めて送り出されたが、賞味期限を明示してしまったからか、99年をもって歌手活動を辞めるハメに。その後、近年になって酒豪のぶっちゃけキャラでバラエティにも進出していたが、妻子ある男性との不倫がバレ、所属事務所とマネジメント契約が終了。事実上の引退となってしまった。
●南野陽子「純だね、陽子」(85年デビュー)
当時、さんざん言われた「ワガママ報道」も一部、本人が認めている。「誰のおかげで飯が食えてると思ってんの!」と怒鳴られた当時のマネージャーも「まだ子供で純粋なんだ」と怒りを収めていたのだろうか。
●大沢逸美「ジェームス・ディーンみたいな女の子」(83年デビュー)
170センチの長身に短髪。80年代はユニセックスなイメージを売りにするタレントが多かった。彼女の場合、このキャッチフレーズよりも、ラジオで連呼された「大沢、イッツミー」のFM的語感にイラっとしたものだ。
21世紀になるとこうしたキャッチフレーズは次第に、あまり見られなくなる。ちなみに、2001年デビューの市川由衣は「由衣緒正しきアイドル」。一見、21世紀のフレーズにしては正統派すぎる感もあるが、「由」と「緒」の間に「衣」を挿入しているのがミソ。しかし、言葉遊びに走りすぎたためか、まったく浸透しなかった。
最近では、小倉優香(13年デビュー)の「リアル峰不二子」など、グラビアのキャッチコピーをそのまま本人のキャッチフレーズにするパターンが主流。橋本環奈の13年に広まった「1000年に1人の逸材」も他者の評ではあるし、やはり味わいは薄い。
解釈を他者に委ねない「キャッチフレーズ」を携えて世に出た20世紀アイドル。高度成長&バブルの時代そのままの勢いがにじみ出るようなパワフルさが、今こそふたたび求められているのかもしれない。