アップルが行った2019年10〜12月の四半期決算を公表したが、多くの予想を上回る過去最高益だった。理由はiPhone11の販売好調で、音楽配信などのサービス部門やウェアラブルも好調だったこと。
「19年9月の通期の決算で減収減益と、このところ不調続きだったアップルでしたが、この頃から四半期決算では復活の兆しを示していました。問題だったのは、iPhone依存の『1本足打法』頼みだったからで、これが改善された上にiPhone11も販売が好調で、業績が良くなるのも当然です」(経済ジャーナリスト)
となれば注目は、2020年秋に投入すると見られている5G対応iPhoneの行方だ。勢いに乗って強気の発言が期待されたところだが、CEOのティム・クックは意外にも秋投入の名言は避けた。
「理由は5Gネットワークはまだ整っているとは言えず、ただ早く始めれば良いというわけではない、といった趣旨でした。とはいえ、単に5Gの流れに遅れられないというばかりではなく、過去のiPhoneの販売実績を見れば秋の投入が至上命題だということも分かります」(同前)
というのも、アップルと他社のスマホの販売実績を見た場合、他社のスマホが特に季節的な要因に関係なく通期で売れているのに対し、iPhoneは秋の新作で大きく売り上げて他の期間は大きく販売が落ち込むというサイクルとなっている。つまり、秋が“売り時”なのだ。
もちろん、サムスン、ファーウェイといった他社は既に5G対応機種を市場に投入済み。となれば、2020年秋は是が非でも投入しないとその肩透かし感はハンパないものになってしまうわけだが、果たして実際はどうなるか。
(猫間滋)