イングランド・プレミアリーグのリバプールへ移籍することが決まった日本代表FW南野拓実が、戦友へ別れのメッセージを贈っている。
12月19日、日本のサッカーファンに吉報が舞い込んだ。英国の超名門クラブ、リバプールが、かねて報道のあったザルツブルク所属の南野を移籍金10億3000万円で獲得することで合意に達し、2024年6月までの4年半契約を締結する運びとなった。
この電撃移籍を受け、新天地であるリバプールの現地メディアが南野へのインタビューを行った。2015年1月より在籍し、長く中心選手として活躍してきたザルツブルクにおいて、「最も別れるのが悲しいのはどの選手?」との質問を受けると、南野は同僚の韓国代表FWファン・ヒチャンを名指しし、「彼とは長く一緒に過ごしてきた。ドイツ語が上手くなったのもファンのおかげだし、離れるのは寂しいです」とコメントした。
「2014年よりザルツブルクに籍を置くファン・ヒチャンは南野より少し先輩にあたりますが、1歳違いの同年代で共に切磋琢磨してきた戦友同士です。また、ピッチ上では常に互いの位置を確認し合い、ファン・ヒチャンからの良質なパスによって南野が受けた恩恵も大きく、その逆も然り。日本人選手と韓国人選手はとかくライバル関係に仕立て上げられる傾向がありますが、日本のサポーターからはこの2人の絆について『国境を超えた友情は素晴らしいと思う。南野、ファン・ヒチャン共に頑張ってほしい』『良い友情。国同士は色々あるけど、個人的に付き合うと普通に良い奴も多い』『彼らには日韓のしがらみが無くて良かった』『国籍とか関係なしに、寝食やプレーを共にした経験って本当に素敵』という好意的な反応が出ています。国籍や宗教、民族を超越して勝利を共有するスポーツの素晴らしい一面とも言えるでしょう」(スポーツライター)
なお、南野と共にザルツブルクの躍進を支えてきたファン・ヒチャンにも、今冬にイングランド・プレミアリーグへ移籍する噂が囁かれており、今後は異なるクラブに所属する好敵手同士として、しのぎを削り合ってもらいたいところだ。
(木村慎吾)