元スペイン代表FWで、Jリーグのサガン鳥栖でもプレーしたフェルナンド・トーレスが11月22日、YouTubeの「Jリーグ公式チャンネル」にゲスト出演し、“最も好きな日本人選手“について言及している。
スペイン代表の黄金期に稀代の点取り屋として活躍し、W杯や欧州選手権、さらにはクラブレベルでもイングランドのチェルシー在籍中にUEFAチャンピオンズリーグ優勝を果たすなど、あらゆるタイトルを総なめにし、2018年夏からの1年間はサガン鳥栖の一員としてJリーグの人気向上にも貢献したトーレス。
Jリーグ副理事長・原博実氏がMCを務める同チャンネルにて、同氏から「日本人でこの選手が好き、という選手はいますか?」との質問を振られると、すぐさま「なんと言っても(アンドレス・)イニエスタだ」と回答すると、「そりゃそうだけどさ 笑 日本人では?」と聞かれ、「フロンターレのナカムラ」と川崎フロンターレのベテラン、中村憲剛の名前を挙げた。
その理由として、トーレスは「彼はストライカーの後ろでいつも冷静にプレーし続け、試合を落ち着かせる能力がある。いつも点取り屋の位置や状況をチェックしてくれるから、(ストライカーの)私は彼と一緒にやりたかったね」と説明し、最前線のFWへ良質なスルーパスを配給し続けてきた中村のプレースタイルや、精神的支柱としての才能を絶賛。
続けて、「彼は偉大な選手。試合中も彼が入場するとものすごい歓声がわくし、サポーターが彼をリスペクトしているのが感じられた」とも話し、中村憲剛の存在感やファンからの高い人気についても言及している。
「これにはフロンターレファンだけでなく、中村憲剛自身も喜んでいるはずです。通常、こういった質問ではリップサービスを含め、トーレスが所属していたサガン鳥栖に在籍する日本人選手を選んだり、知名度という点で他の日本人選手を凌駕する本田圭佑や香川真司らを挙げる可能性が高いと思われますが、一度もヨーロッパでプレーした経験のない“川崎ひと筋“を貫いた中村を挙げたことで、サポーターからは『さすがトーレス、見る目ある!』『トーレスとのコンビ見たかった』との声が出ています。裏を返せば、トーレスが在籍したサガン鳥栖に彼を満足させられるようなパサーが居なかったのではないかとも解釈でき、『サガンにもそういう選手がいればね』『鳥栖には彼を生かすパサーがいなかった』『鳥栖じゃなく、川崎がトーレスを獲得していれば皆が幸せになれた…』とのコメントも多く見受けられました。中村憲剛については、ヴィッセル神戸のスペイン人MFセルジ・サンペールも“スペインクラブに推薦したい選手“として名前を挙げていましたからね。玄人が好む玄人ということなのでしょう」(スポーツライター)
長短のパスを巧みに使い分け、相手守備陣の予想だにしないパスコースを容赦なく射抜いてみせる中村憲剛。そのクオリティーはスペインの猛者たちも認めるほどにワールドクラスの器だったのかもしれない。
(木村慎吾)