「忍者式」健康法でみるみる体が蘇る(3)「八方目付」で飛蚊症を克服

 年を重ねていくうちに体力や視力の低下を感じるという読者は、忍者直伝の鍛錬法を取り入れて老化防止に努めてはどうだろう。川上氏がすすめるのは「八方目付」だ。

「目の前に親指を出してその先を注視し、そのあとに遠くを見る。これを親指の位置を上下左右に変えながら繰り返します。目のピントを合わせる訓練なのですが、眼筋の動きもよくなって老眼や視力の低下を防ぎます。50代の頃にかかった飛蚊症もトレーニングをしているうちに治りました」

 足腰の衰えを感じた時には、足の裏に刺激を与える。足の裏には各臓器や神経につながるツボが集中しているので、血の巡りをよくして全身にエネルギーが行き渡るようにするためだ。

「普通のわらじは石が挟まったりするので、忍者は足の半分、かかとが出ている『足半』というわらじを使っていました。足の指も動かせるし、爪先歩きの状態になって、自由に走れるんです。今でも市販されているので、家で履いて過ごすだけでも動きがよくなります」(川上氏)

 また、忍者は険しい崖を登ったりするために手の力を鍛えたが、握力と認知症には関連性があり、国立長寿医療研究センターの調査では、握力が26キロ未満の場合は認知症になるリスクが通常の約2倍という結果が出ている。

「太陽をつかむというイメージで手のひらを広げてから、ゆっくりと握る。また車の運転中に車のハンドルを握ってゆっくりと力を込めていって、最大限まできたら止める。その時に持っている最大限の力を出すことがコツで、何回もやらなくても効果があります」(川上氏)

 このように多岐にわたる忍者健康法だが、コストもかからず短時間で気軽に試せるのがポイント。家でも外でも、思い立った時にすぐさま始めてみよう。

■頭痛・眼精疲労に効く

頭痛には、こめかみから指2本分ほど上の髪の生え際、剃り込み部分にある「頭維(ずい)」に軽く指を押し当てて上下にさする。また、「陽白(ようはく)」は眉毛中央の少し上にある骨のくぼみにあり、指を当て小幅で小刻みに左右にさすると眼精疲労を和らげる

■腹痛に効く

みぞおちとヘソの中間にある「中脘(ちゅうかん)」。二本重ねの中指に日本酒をつけて、軽く圧をかけながら上下にさすれば、腹痛だけでなく食べすぎによる胃痛にも効果アリ

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