「忍者式」健康法でみるみる体が蘇る(1)集中力アップに安眠効果も

 どんな過酷な状況に置かれても、息を潜めて耳を澄まし、命がけの諜報活動に奔走してきた忍者。ある時には100キロもの道のりを一夜で駆け抜け、またある時には集中力を研ぎ澄ませて標的をしとめてきた。その強靭な体力と精神力を作り上げた日々の修行には、現代人が活用できる健康法が隠されていた!

 トップ艶系男優のしみけん氏(40)が勧めるのは、10 年以上前から取り入れているという「忍者式口臭予防」だ。

「撮影する時に、まず気になるのが口臭です。以前はフリスクを食べたりしていましたが、逆に口の中が乾いて臭いが出やすくなるんです。それで唾液を出すために、口の中で歯グキや歯の裏側などをなぞるように舌を右に12回、左に12回、回す。実際の回数はランダムでかまいませんが、1分もかからずに唾液が出るので、カメラが回り始めて、いざ登場というタイミングでも簡単にできます」

 これは忍者が敵地に忍び込んだ時に、口臭によって見つからないよう行っていた口臭撃退ワザだが、もともとは神仏の前で失礼のないように口をすすぐ礼儀作法から発している。

「口の中が潤っていれば、しゃべる時の滑舌もスムーズになるので、講演会やイベントの直前にもやりますね。また『息長(おきなが)』という忍者の呼吸法も参考にしています。人間は1日に2万回以上呼吸しますが、そのほとんどが浅い呼吸なんです。しかし、この呼吸をすることによって集中力が高まり、緊張感をうまくパワーに変えられる。これも信号待ちやエレベーターの中など日常生活の中で実行できます」(しみけん氏)

 呼吸法は忍者にとって最も重要な鍛錬と言われる。6歳の頃に師と出会い、現在まで60年以上忍術修行を続けている、第21代甲賀流忍術宗師家、川上仁一氏(70)が解説する。

「忍者の諜報活動で大事なことは3つ。『気配を消す』『平常心を保つ』『集中して聞く』です。『息長』を体得するとストレスが緩和されてリラックスするにもかかわらず、気持ちは緩むことなく集中力が研ぎ澄まされるんです」

 息長中の川上氏の脳波を計測する実験では、リラックスする時に出るシータ波と、集中する時に出るアルファ波の両方が高まるという驚くべき結果が出て、医学的にも効果が実証されている。

「やり方は、自分の周りにあるエネルギーが線香の煙のように自分の体の中に入ってくるのをイメージしながらゆっくり息を吸って、止めて、ゆっくりと吐く。この3工程を1分ずつかけて行うのが理想ですが、最初は10秒ずつからでも結構です。寝る前に練習すればそのまま寝落ちの状態になって、安眠効果も得られます」(川上氏)

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