石原伸晃「もう1回だけ勝負しようかなとは思ってます」/テリー伊藤対談【4】

テリー ウクライナの話が出たので、それについても少し聞きたいんですが。ウクライナとロシアについてはどう見てますか。

石原 両国とも昔で言えばソビエト連邦の仲のいい国、同胞ですよ。その同胞が何万人も殺し合ってる。全体主義の国って何でもありだから、ウクライナの大統領が言ってた通り、第三次世界大戦になる可能性もゼロじゃないぐらい怖い話で。今起きているのは、そういうことだと思います。

テリー これ、長引きますよね。和平交渉もしてますけど、プーチンもこのまま引き揚げたら話にならない。

石原 それこそ私、これはずっと言ってるんですけど、戦争って一度始めたら「勝った」と言えるまでやめられないんですよ。「勝った」「負けた」の理屈はいくらでも作れますから。

テリー このまま長引くと避難民もどんどん増えるじゃないですか。もし、横浜とか神戸港に船で何百万人も来た時に、日本はどうするんですか。

石原 もちろん、受け入れると思います。ただ、遠いですから、来たい人がどのぐらいいるかですよね。ウクライナの方は今も2000人ぐらいしかいらっしゃらないし、何百万人も来ることはないでしょうけど。

テリー いや、大変だなぁと思って。石原さん、やっぱり次の選挙にまた立候補しなきゃダメだね。

石原 そうですね。もう1回だけ勝負しようかなとは思ってます。ただ、厄介なことは、選挙区がどうなるかわからないんですよ。間違いなく分割されるから。

テリー 次の参議院選には出ないんですよね。

石原 出ません。「出たらいいのに」って言ってくださる方もいますけど、まだ、なんで選挙に落ちたのかっていう総括もできてないし。

テリー 党から「出ますか?」っ聞かれたりしないんですか。

石原 いや、そういうのはないです。

テリー じゃあ、ダチョウ俱楽部みたいに「俺が行きます!」って。

石原 アハハハハハ。でも、そうすると‥‥ちょっとつまんない話、していいですか。

テリー どうぞ(笑)。

石原 私ね、今まで永田町しか見てないんですよ。で、丸の内へ行って、大手町に立ったら「広告も一切なくて、なんてすばらしい町なんだろう」と。「こんな町、ロンドンにもニューヨークにもない。日本はすごいな」って思ったんですよ。そして、そこに日本のリーディングカンパニーが全部入ってるわけです。政治家を離れて見ると、そういう発見がいろいろあるんですよ。だから、もう少し、今の立場のままで見ていたいというのもあるんですね。

テリー なるほど。その発想はいいですね。亡くなった鳩山邦夫さんがね、都知事選に出た時に「東京に蝶々を戻す」って言ってて、僕はすごくいいと思ったんですよ。でも、そういうのって選挙の数字に結び付かないんですよね。やっぱり一般の方は年金とか、そういうリアルなことのほうが大事で。でも令和になって、そういう意識も少しずつ変わってきてると思うから、今みたいな石原さんのものの捉え方は次の選挙のアドバンテージになるんじゃないかなぁ。応援してるので頑張ってください。

石原 ありがとうございます。やっぱり好きなことが話せるのは楽しいですね。もう原発は動かしたほうがいいとか、憲法は変えろとかね、常識で考えたら当たり前のことはどんどん言っていきたいと思いますね。

〈テリーからひと言〉

 次の選挙までは、エネルギーを蓄えて。今まで行かなかったいろんな場所や、いろんな人と出会って、世間を見て、感じるところがあったら、政策に生かしてください。

石原伸晃(いしはら・のぶてる)1957年、神奈川県生まれ。1981年、慶應義塾大学を卒業後、日本テレビに入社。政治部記者として、大蔵省や外務省、首相官邸などを担当。日本テレビ退社後の1990年、衆議院議員に初当選。2001年、小泉内閣の行政改革・規制改革担当大臣として初入閣。その後、国土交通大臣、初代・観光担当大臣、自民党政調会長、自民党幹事長、環境大臣・原子力防災担当大臣、経済財政政策担当大臣などを歴任した。現在は自身のYouTubeチャンネルにて様々な意見や考えを発信している。

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