日本ハム・新庄監督も不満発言「競輪か競馬を誘致」まで噴き出す札幌ドームが迷走中

 3月2日と3日に一昨年まで本拠地だった札幌ドームでオープン戦を行った日本ハム。実は、今年度でドームを所有する札幌市との使用契約が終了する見通しで、各スポーツ紙はこの2連戦が「本当の最終戦」だと報じた。

 日ハムが去ったことで同球場の行末を案じる声は多い。今年1月に募集を始めたネーミングライツは応募ゼロで、期限を設けずに引き続き募集するとしているが、地元紙記者も「赤字や経営難という報道が多いこともあり、企業も手を挙げにくいでしょう」と嘆息する。

 球界関係者からも「札幌ドームで試合をしたい」という声はほとんど聞かれないという。実際、3日の試合後に新庄剛志監督も、「今日の固いグラウンドでハッスルしすぎて、またケガが人が増えないか心配でした。ここで1試合プレーすると3、4日後に(身体が)張ってくるんですよ」と本音発言。監督は引退する06年までの3年間を札幌ドームでプレーしているだけに説得力があった。

 この一言はネット上でも共感され、《こんな球場で大谷がプレーしていたと思うとゾッとする》《中田翔が走れなくなったのってこのせいじゃ…》などというコメントも散見された。また、中日の本拠地に引っ掛けた《バンテリンが必要なドーム》という投稿もあった。

「札幌ドームは、他のドーム球場と比べて膝や足首、股関節に負担がかかると嘆く球界関係者は少なくありません。選手が念入りにアップやケアを行っても、本拠地時代の日ハムにケガ人が多かった要因の1つとさえ言われています」(前出・記者)

 今年度は約3億円の赤字と言われている札幌ドーム。1.5万~2万人規模のイベントに対応するために10億円を投じて巨大な間仕切りを導入した「新モード」も不発に終わっている。そのため、室内競輪場や解体して競馬場の誘致を求める声も出ている。

 同球場の運営は札幌市であり、赤字も10億円の投資も税金だ。長引く迷走は許されないのである。

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