7月13日、北海道新聞は千葉県鎌ケ谷市に拠点を置く、日本ハムファイターズの2軍を北海道に移転する構想があるとの記事を掲載した。それによると札幌、千歳、恵庭、苫小牧、江別の5市が移転候補地に挙がっており、屋外型の専用球場のほか、隣に室内練習場と寮も建設予定で費用は100億円規模とかなり具体的だ。
1軍2軍の拠点がここまで離れているのは12球団で日本ハムだけ。他球団のように選手は2軍のデーゲームの後、本拠地でのナイターに掛け持ちで出場することができず、04年の移転当初から大きなネックとなっていた。そのため、2軍の北海道移転は以前から噂されていた話で、特に驚きはない。しかし、地元北海道のファンもそれを望んでいるとはいえ、同じイースタン・リーグの7球団は複雑だという。その理由についてスポーツ紙のプロ野球担当記者は次のように話す。
「ファームの場合、地域によってイースタン、ウエスタンとリーグが分かれていますが、その目的のひとつは遠征費用を抑えること。2軍戦の移動で飛行機を使うのは一部の交流戦くらいですが、日ハムが北海道に移転すればイースタン・リーグ全球団が飛行機で遠征することになる。これは各球団にとって大きな負担です」（スポーツ紙記者）
2軍戦は基本的にデーゲームなので球場の入り時間が早く、他球団は前日のうちに北海道に入らなければならない。そうなると飛行機代に加え、宿泊費も発生する。
「プロ野球の場合、球団ごとに航空会社やホテルと法人契約を結んでいるとはいえ、在京球団が北海道に遠征すれば3連戦（3泊）で1人7～10万円はかかる。選手全員が帯同するわけではないですが、コーチ・スタッフを含めると50名ほどでの移動となります。これがシーズンに複数回あるわけですから、1000万円以上出費が増えることになります」（同）
1軍と違って2軍となれば各球団とも少しでも経費を抑えたいはず。「できれば移転はやめてほしい」と鎌ケ谷残留を願っている他球団関係者は多いのかもしれない。
