「AT対MT論争」に新争点!オートマ免許のほうがマニュアル免許より「事故率が2倍高い」

 これまでに幾度となく勃発しては、終わらない議論が繰り返されてきた「AT(オートマ)対MT(マニュアル)」論争。

 MT免許所持者の中には、MT車を運転できないAT免許所持者にマウントを取りたいと思ってしまう者がいるのかもしれない。一方で、今や新車の99%がAT車という現実に、数の論理で攻勢をかけるのがAT派だ。

 もっとも、今年4月からの道路交通法改正により、運転免許の取得過程が変更され、どちらの免許を希望するにしても、まず初めにAT車向けのカリキュラムを受けることになる。MT免許は、AT免許取得後に、さらに金と時間をかけて取得しなければならなくなることから、今後はMT免許を目指す人は減少するのではないかと見られている。

 となると、AT派が勢力を強めそうな気もするが、ここにきてMT派を後押しする、ある「データ」の存在が注目を集めている。「普通自動車運転免許 新規交付者の1年以内の事故率統計」のことだ。

 同データによれば、免許取得から1年以内に事故を起こす人が多いというのだが、注目されるのは、「事故率の高い免許の種類」だ。過去の統計をみると、おおむねAT免許所持者のほうが、MT免許所持者よりも約2倍も事故率が高く、中でも男性が事故を起こすケースが多い。

 2004年に発表された鳥取環境大学の研究では、「正面衝突」はAT車とMT車との差はほぼ同程度だが、一時停止や減速を必要とする状況下においては、MT車の方が圧倒的に事故率が低いことがわかっている。MT車を走らせるためには「クラッチ操作」が必要なこともあり、ながら運転をしやすいAT車よりも運転に対する集中力の違いがあると見られている。

 免許が取りにくくなったMTと、事故率の高いAT…。AT対MT論争にまた1つ、争点が増えたようだ。

(ケン高田)

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