発売から40年で、これまでに2500種類を販売、1秒間に11.6個を売り、年間1億食以上を出荷しているパン界のレジェンドである山崎製パンの「ランチパック」。3月には「とろリッチ生(生クリーム入り粒あんホイップ)」と「とろリッチ生(生クリーム入りきなこホイップ)」を新たに発売し、早くも大人気になっている。
ところで、このランチパックに「元祖」があるのをご存知か。1975年に誕生したフジパンの「スナックサンド」である。発売当初、密閉性のあるサンドイッチが日本にはまだなく、「持ち運べるサンドイッチ」として大ヒットした。2020年には誕生45周年を記念してパッケージをリニューアルし、俳優の森七菜をイメージキャラクターに起用して36年ぶりとなるテレビCMが放映された。
ランチパックは、スナックサンドから遅れること9年後の1984年に誕生した。すると、「ご当地限定」など、豊富な種類で瞬く間に市場を席巻し、今では携帯サンドイッチ市場の99%超を占めている。スナックサンドとしても、後発に大きな差をつけられてしまったことに忸怩たる思いはあるようで、40周年を迎えた2015年には、当時の担当者が、
「実は2年前には、携帯サンドイッチ市場でのシェアがなんと0.15%まで落ち込んでしまい、さすがにもうちょっと頑張ろう、と思って…」
といった自虐的なコメントとともに、あらたにツイッター(当時)のアカウントを開設したことも発表した。もっとも、そのアカウントも21年3月にフジパンの公式アカウントと統合している。
とはいえ、現在のスナックサンドは、続々と新商品を投入しており、携帯サンド好きからは「美味しい」と評判だ。
まだ「元祖」の味を知らない人は、一度食してみて、両者を比較してみるのもいいだろう。
(ケン高田)