庶民生活を窮地に追い込む消費増税はキッチリ遂行しながら、ありとあらゆる疑惑をうやむやのままに振り切り、放言・問題閣僚もおとがめナシ。だが、どうにもごまかせないのが自身の健康問題である。12年前の「突発退陣→緊急入院」の悪夢を招いた難病を抱える総理。そこに意外な救いの手が伸びてきた─。
10月4日、第200回臨時国会の冒頭、所信表明演説で、安倍晋三総理(65)は23分間の演説の締めくくりに憲法改正を取り上げ、国会で議論を進めるよう語気を強めた。総裁の任期は残り2年を切り、自身が最後の仕事と位置づける憲法改正の実現には、是が非でも今会期中に国民投票法改正にこぎつけなくてはならない。そんな焦燥感が垣間見えたようだった。
国民投票法改正案が来年の通常国会に持ち越されると、たとえ改正案が通ったとしても、施行は20年度予算成立後の来春以降となる。来年は東京五輪もあり、事実上、国会発議、憲法改正をめぐる国民投票は時間的に困難になる。
そこへ、関西電力の献金問題は盟友・稲田朋美元防衛相(60)と髙木毅元復興相(63)の献金疑惑に飛び火。菅原一秀経産相(57)も公職選挙法や金銭にまつわる疑惑で辞任に追い込まれるなど、時間との戦いの法案成立に、早くも障害物が立ちはだかることに─。
安倍総理みずから政治家人生最後かつ最大の課題と位置づける憲法改正に向けての障害が、もうひとつある。自身の健康問題、すなわち、長く患う国指定の難病「潰瘍性大腸炎」の状態である。全国紙政治部デスクが解説する。
「以前、国会の予算委員会で辻元清美氏(59)が安倍総理に質問した際、たびたび席を外していたことがありました。辻元氏はそのたび、『あれ、また総理いませんね。では戻られたらお聞きしましょう』などと発言していた。頻繁にトイレに立っていたということです。そうした状況は今も変わっていません」
潰瘍性大腸炎の症状である、頻繁な下痢のためだと推察されるのだが、週刊アサヒ芸能は2年前、安倍総理の病状に関する詳細な記事を掲載。元慶應大学病院のH医師を主治医として、同大学病院消化器内科幹部のT医師も医療チームに加わったが、このT医師は潰瘍性大腸炎が大腸ガンに移行した際の権威であること、都内の高級ホテルのスイートルームで極秘診察を受けていることなどを報じた。慶應大病院OBが明かす。
「日米貿易交渉や国連総会、G7首脳会議など、安倍総理の外遊にはH医師が常に帯同しています。第一次安倍内閣を体調不良で退陣せざるをえなかったのも、外遊先での体調不良が致命傷となったから。小泉純一郎氏や橋本龍太郎氏ですら、総理在職中にストレスから大腸ポリープの切除を行いました。それほど、総理の重責というのは内臓に負担をかけるものです」