今年も受験シーズンに突入しているが、ここ数年、過熱しているのが中学受験だ。
「以前から首都圏の中学受験熱は高く、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の中学受験率は過去最高値の更新が続き、昨年は18.12%でした。中でも文京区では約50%に達しています。また、関西でも中学受験は年々増えており、昨年、入試の受験率は10.17%と2年連続で10%の大台を超えています」(受験に詳しいライター)
そんな状況に伴い、中学受験が目前に迫る1月になると、小学6年生が学校を欠席することが急増するという。
「その理由は受験本番に向けたインフルエンザなどの感染症の予防や、受験対策として塾の宿題や過去問を解くなど、家庭学習に集中するためともいわれています。小学校は義務教育なので出席日数が少なくても卒業できるうえ、公立小学校の授業は中学入試の試験内容に対応していないため、こういった現象が起きているわけですが、“やり過ぎではないか”といった批判的な声もあります」(同)
これだけ中学受験がブームになるのは、東京、大阪で高校授業料無償化が始まり、私立の中高一貫校で授業料が必要なのは中学校3年間だけになることが大きく影響しているという。悪いことではないのだろうが、一方で、公立中学にはそんなに魅力がないのかという点も気になるところだ。
(鈴木十朗)