「そごう・西武」は5店舗閉鎖…閉店&人員削減が相次ぐ百貨店の苦悩

 セブン&アイ・ホールディングス傘下の「そごう・西武」の2019年3〜8月期営業損益が10億円の赤字となり、2021年2月までに5店舗を閉鎖することを発表。また、リストラで1300人の人員削減をおこなうことも明らかとなり、古き良き時代の象徴といわれた百貨店業界の灯火が消えようとしている。
 
「先日、アパレル大手の『オンワード』が600店舗を閉店するという衝撃的な報道がありましたが、その大部分が百貨店内店舗と言われているように、百貨店はここしばらく厳しい状況にあります。今年は1月に閉店した『さとう 西舞鶴駅前店』に始まり、9月には『伊勢丹 相模原店』『ヤナゲンFAL店大垣市』『山交百貨店』なども閉店しており、百貨店の閉店数が2桁となるのは、リーマンショックの煽りを受けた2010年以来、9年ぶりとなります」(社会部記者)

 閉店が相次ぐ百貨店に対してネット上では《時代の流れと言わざるを得ない》《今は百貨店よりフードコートのあるショッピングモールがメインだからね》など、致し方なしという意見が多く見られた。
 
「百貨店が衰退する理由は主に2つあります。1つは主要顧客だった団塊の世代のほとんどが年金生活者となり、高級な百貨店での買い物を控えるようになったこと。もう1つは、ネット通販の普及で百貨店と同じ商品が割安で購入できるようになったこと。よく百貨店は“信頼を売っている”などと言われますが、今の消費者は信頼より何よりも安く買えることが重要ということです」(経済ジャーナリスト)
 
 生き残る道は残されていないのか。

(小林洋三)

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