元宮崎県知事でタレントの東国原英夫氏が12月12日、「ゴゴスマ~GOGO!Smile!~」(TBS系)に出演。“紀州のドン・ファン”と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さんを殺害した罪に問われた元妻・須藤早貴被告に無罪判決が下された裁判員裁判について持論を展開した。
2018年5月、野崎さんは自宅で急性覚醒剤中毒を起こして死亡。須藤被告は何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われていた。12月12日、裁判員裁判の判決公判が和歌山地裁で行われ、福島恵子裁判長は「被害者が誤って致死量の覚醒剤を摂取した可能性がないとは言い切れない」などとして、無罪を言い渡した。
検察側は防犯カメラなどの映像から「須藤被告以外に犯行可能な人物がいなかった」と指摘し、「覚醒剤 死亡」「完全犯罪」といったインターネット検索履歴から「覚醒剤を使って事件と思われないように殺害した」などと主張し、無期懲役を求刑していた。一方、弁護側は「覚醒剤をどう飲ませたかを考えずして、犯人とは決めつけられない」と反論。
無罪判決について、東国原氏は「検察側の意見を聞くとさもありなん、弁護側の話を聞いてみると、それもそうだなと。裁判員の方たちも迷ったと思う。裁判員だったら、どういう判断を下すかという視点で見ていたが、僕の主観ですけど、裁判員の方たちは、これを有罪にしてしまうと自分の責任ということで、疑わしきは罰せずではないですけど、控訴されるか、わかりませんけど、そちらの方へ……」と持論を展開した。
裁判員裁判は重大事件に一般国民が参加して裁判官とともに刑を決定するシステム。ネット上には《東国原さんの言い分は裁判員の方々に失礼では?》《裁判員裁判が悪いみたいな言い回し》《裁判員批判は意味不明》などと、視聴者の怒りの声が上がった。
「東国原氏は裁判員の心情に気を使ったつもりなのかもしれませんが、取り方によっては“責任逃れをした”と解釈できてしまいます。有罪にすると良心の呵責に苛まれるかもしれず、高裁に判断を仰ぐことにしたとでも言いたいのでしょうか。裁判員も使命を持って審理に当たっているだけに、視聴者が敏感に反応してしまったようです。(スポーツ紙・社会部記者)
いずれにせよ裁判員のストレスは相当なものだけに、臆測は控えたほうがいいだろう。
(石田英明)