東京都がお台場に来年度末、世界最大級の「噴水」を建設することがわかった。整備費は26億円あまりで、東京都は経済波及効果を約98億円と試算しているというが、早くも懐疑的な声が広がっている。
「ODAIBAファウンテン(仮称)」は高さ150メートル、幅250メートルの巨大噴水を音楽と光で演出し、世界最大級の噴水ショーを目指すというもの。東京都港湾局はすでに整備費用約26.2億円を含む来年度の予算要求を提出。維持費は年間1.5~2億円を見込んでいる。
都は、臨海副都心の新たなランドマークとして国内外からの誘客に繋げたい考えだが、やはり気になるのは財源だ。都は「埋立地売却などの収入を充てる」とするが、SNS上では「オーバーツーリズムの中で、経済効果など見込めるのか?利権関係を明確にしてほしい」「噴水だけでどうやって100億円近くの経済効果が産まれるのか、誰か説明してくれないですかね」「そんなことより無電柱化とか満員電車解消の方にお金使って」などと、否定的な意見が相次いでいる。
噴水ショーといえば、有名なのはシンガポールのマリーナベイ・サンズにあるスペクトラだろう。音楽に合わせた噴水、レーザー、光投影を活かした盛大なショーが毎晩開催されており、人気観光スポットになっている。
東京都は石原慎太郎知事時代から「お台場カジノ構想」を掲げており、小池百合子知事も「検討中」と推進姿勢を否定しない。将来的には噴水を足かがりにカジノ誘致に踏み切る可能性もささやかれている。
経済ジャーナリストが語る。
「カジノ誘致をめぐっては、大手デベロッパーの森ビルと、フジテレビ・三井不動産・鹿島建設の2グループが小池都政に臨海副都心・カジノリゾート提案書を提出しています。シンガポールのマリーナベイ・サンズは、噴水ショーだけでなく、ミュージカルなどを楽しめるシアターやナイトクラブ、カジノなどがあり、この場所だけで完結する統合型リゾートです。中でもカジノは多くの観光客で賑わっており、小池知事も『ODAIBAファウンテン』にその姿を重ねているかもしれません」
東京都は今年2月から都庁第1本庁舎の壁面を使ったプロジェクションマッピングを始めており、2023~24年の2年間で16億5000万円という予算を計上。見物客を集める一方で「税金の無駄遣い」と大きな批判を浴びたばかりだ。
税金を噴水のように放出するようなことがなければいいが…。
(ケン高田)