「また同じことの繰り返しに…」巨人・菅野獲得にメジャー球団が尻込みする“疑念”

 プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(FS・対DeNA)で、リーグ優勝を果たしながら敗退した巨人。菅野智之はFS第2戦(10月17日)に先発し7回2失点で敗戦投手となり、大一番の21日には2-2の8回から中継ぎとして登板。9回に決勝打を浴びた。

 試合後、「結果としては申し訳ない」としつつ「今日の声援は一生忘れることはないと思います」としていた菅野はFS前、海外フリーエージェント(FA)権を行使しMLBに挑戦することを表明。「2020年にはいけなかった。その思いがずっとあったので決断した」とコメントしていた。

 プロ入り3度目の最多勝を獲得した20年オフにポスティングシステムによるメジャー移籍を目指していたが、この時は断念している。

「当時ですでに31歳。MLBでは30歳を過ぎた投手とは超大型契約は結ばないのが慣例です。それでも菅野には6球団からオファーがあり、4年総額80億円(金額は全て推定)を提示した球団もありました。それでも彼はこれを拒否したんです」(MLB担当記者)

 理由はコロナ禍の中で、シーズンが開催されても試合数さえ確定していなかったことと、「年俸が試合数を基本にして換算される契約だった。試合数が減れば年俸も減る契約に菅野自身が難色を示したと言われています」(同)。その後、巨人が菅野に払ったサラリーは4年で約30億円。21年の年俸は8億円だった。

 ただし現地のMLB担当記者によれば「今に至っては菅野がMLB移籍を希望していることは全く話題になっていません」といい、「前回MLB移籍を拒否しているだけに、また同じことの繰り返しになるのでは?という懐疑的な声もある」と話す。

 確かにレギュラーシーズンでは15勝を挙げ4年ぶりの最多勝、勝率も8割3分3厘とこちらも1位となり、34歳にして復活を遂げた感はある。しかし、現状ではメジャーで何球団が獲得に動くかは未知数。何より、移籍となれば何とも後味の悪い巨人での幕引きとなりそうだ。

(小田龍司)

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