「荒磯親方」稀勢の里のホンネ野望(2)モンゴル勢への対抗意識

 親方との関係以上にバチバチなのが相撲界の一大勢力、白鵬(34)を頂点とするモンゴル力士勢との対立だ。やはりディナーショーで触れられることはなかった。

「稀勢の里は、八百長疑惑が蔓延するモンゴル出身の横綱たちにたった一人、ガチンコ相撲で挑んできました。ですが、横綱昇進後初めて挑んだ17年3月場所の横綱・日馬富士(35)戦で左腕と左大胸筋を負傷。ケガを押して強行出場したことで優勝を飾りますが、この時の無理がたたり、力士人生を終えることになった。横綱としての優勝はこの時の1回のみ。結果的に『ガチンコ相撲』が、星を回し合うモンゴル勢に屈した形になったので、じくじたる思いがあったはずです」(スポーツライター)

 現役時代の屈辱を晴らすべく、今度は親方としてモンゴル力士の駆逐を企てたいところだが、情勢は厳しい。

「親方としての手腕はすでに白鵬が2、3歩リードしています。現役力士ながら、前頭十一枚目・炎鵬(24)や前頭十五枚目・石浦(29)を筆頭に、内弟子を複数人確保しています。特に父親が鳥取城北高校の相撲部総監督をしていて、日大OBである石浦の学閥を利用しているようです。さらに小中学生の相撲大会『白鵬杯』を開催して若い世代の発掘にも力を注いでいます。親方になるために懸念されていた国籍問題も9月に『白鵬翔』と日本名を手にして解決。親方への準備を着々と進めている様子を見ていると、相撲界を牛耳ろうとする野心を感じます。一方で中卒で入門した稀勢の里は、白鵬のように学閥を利用するのは難しい。引退して半年たちますが表立って親方として動いているようには見えません。『ガチンコ相撲』の系譜を継ぐ元貴乃花親方が相撲界から追放されたので、稀勢の里にかかる期待は大きい。すぐにでも弟子探しに奔走してほしいんですが‥‥」(相撲担当デスク)

 愚直な新米親方には「理想」と「現実」の間に高い壁が立ちふさがりそうだ。

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