消費者庁は9月30日、都内のゴキブリ駆除事業者が適正かつ低額な料金を謳っているにもかかわらず、高額な料金を請求していたとして、消費者安全法に基づき同社の社名を公表し、消費者に注意を呼びかけた。
同庁HPによると、同社はネット上で「関東エリア 最安レベルに挑戦! 追加料金一切なし! 税込550円~」などと表示。ところが、消費者が実際にゴキブリ駆除を依頼すると、「ゴキブリが出入りできるすき間ばかりある」などと不安を煽って追加作業の必要性を強調し、高額な料金を請求する手口だったという。
同日更新の共同通信社のニュースサイトによると、同社に関する相談は各地の消費生活センターに多数寄せられており、4月から8月に138件あった。20代女性が約41%で、20代男性が約22%と若い世代が目立った。そのうち118件が支払い、支払った平均金額は10万9000円余りで最高額は32万円だった。
ゴキブリ駆除で10万円超の料金は明らかに高額であり、ネット上では《あり得ない》《少し考えれば怪しいとわかるかと…》《悪質だけどだまされる人たちも大丈夫かと心配になる》といった声が上がった。
「常識的に怪しいと感じる人が大半だと思いますが、今の若い世代は1人暮らしをして初めてゴキブリに遭遇するケースもあり、気持ち悪さと焦りからネット検索で比較検討することもなく、価格の安さから安易に依頼してしまうのが被害原因の1つでしょう。また、温暖化の影響でゴキブリの生息域が北方へ広がっていることも関係しているかもしれません。最初はギョッとするかもしれませんが、たかがゴキブリです。市販の殺虫剤やゴキブリ捕獲用品でも十分対処できます。ゴキブリ駆除サービスはスマホから簡単に依頼できる手軽さはありますが、そもそも業者を呼ぶ必要性があるのか、冷静に考えることが必要です」(情報誌記者)
ゴキブリ駆除に限ったことではないが、安すぎるサービスには要注意だ。
(石田英明)