その生命力の強さから人類が死滅しても生き残ると言われているゴキブリ。家の中では絶対に遭遇したくない存在だが、爬虫類や大型魚を飼育している愛好家たちにとっては「生餌」として大人気の昆虫らしい。
ただし、日本で一般的なチャバネゴキブリやクロゴキブリなどではなく、「デュビア」と呼ばれる外来種だそうだ。実は、最近このデュビアを飼育して転売する「デュビアブリーダー」が副業として密かな人気を集めているという。
爬虫類好きが高じて生餌用に飼っていたデュビアの繁殖・販売を始めた30代の会社員Y氏は次のように語る。
「見た目はダンゴムシっぽいですね。数あるゴキブリの中でも雑食性が強く、水は数日に一度の霧吹き程度で十分。成虫になると体長4〜6センチとなり、生餌としては比較的大きいことから人気を集めています」
生餌ではコオロギも人気があるが、こちらは動きが敏捷で飛び跳ねるし、翅も鳴らす。対するデュビアはゴキブリらしからぬ動きの鈍さ（!?）で飛ぶこともない。鳴きもしなければ共食いもほとんどないため、手をかけずに繁殖できるという。
「昨年、爬虫類の輸入量がすごく増えたのですが、一方のデュビアの輸入量はほぼ据え置き。そのため、爬虫類ショップでも在庫を切らし、ヤフオクでの売買が盛んに行われています。相場は100匹5000円前後で、これは生餌としてはかなり高額です。4カ月ほどで成虫になるのですぐに黒字化できますよ」（Y氏）
Y氏は副業として月5万円前後の利益を確保しているという。ただし、問題もある。
「飼っている部屋にはどうしても嫌な昆虫臭が漂います。ケージは定期的に掃除を行い、消臭対策も行っていますが、臭いに敏感な人はキツいかも。だから、部屋には彼女や友達も呼べません。既婚者のブリーダーだと奥さんの理解を得るのはかなり難しく、知り合いは家とは別に飼育用に別の部屋を借りています」（Y氏）
昆虫好きなら趣味と実益を兼ねてやってみる!?
