福岡が生んだスーパースター博多華丸・大吉。NHK朝の情報生番組「あさイチ」(NHK)のメインMCとして、見る者をホッとさせる司会ぶりは大好評だ。
10月には、同じく絶好調コンビの芸人・千鳥と初タッグを組んだ新番組「華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!」(フジテレビ系)がスタートする。全国ネットのゴールデン・プライム帯で初の冠番組。もはや国民的漫才師といっていいだろう。
”華大”は来年が結成30周年。吉本興業が九州に初進出した福岡支社の第1期生だ。そろって見栄えが良かったため、すぐにプッシュされた。20代前半でレギュラー番組を次々とゲット。ご当地芸人のトップに立った。
そんな2人は、結成25周年目以降、毎年単独ライブを行っている。本人たちの言葉を借りれば、「社長とズブズブの関係」。公演会場には支援者や親しい社長らから届けられた差し入れがズラリと並ぶという。
「特に地元はすごい数になります。今年3月、福岡サンパレスホテル&ホールで開かれていますが、福岡の名産品や特産品はもちろん、くだもの、お酒、名菓、お高めの調味料、肉や魚も高級なものばかりが、長い廊下に並んだといいます。駆けつけた仲間も豪華で、同期のナインティナイン・岡村隆史や、ココリコ、NON STYLEの石田明、バカリズム、和牛、陣内智則ほか、多くの有名人が九州まで足を運んでいます」(スポーツ紙記者)
舞台裏では大吉が「詰めてね」としきりに言葉をかけていた。ココリコ・田中直樹は、コンビで舞台に立つのが久々とあって、ネタの時間を詰めてほしいとお願いされたと思っていたという。
「大吉が続けたのは、『詰めたら2日後に届くから』でした。田中が理解に苦しんでいると、あまたの差し入れの横には山積みになった段ボール、宅配便の配送用紙、ボールペンが置かれていた。名産品を持って帰ると荷物になってしまうので、好きなだけ段ボールに詰め込んで、配送できるシステムになっていたというのです」(前出・スポーツ紙記者)
単独ライブが決定したとき、2人が真っ先に話し合ったのが、この宅配システムだったという。
華丸が、ひとり芸の日本一を決める「R-1ぐらんぷり2005」で優勝してはや14年。博多のローカル芸人が全国にその名をとどろかせ、高い好感度を手に入れた裏には、そうしたおもてなし精神があったのかもしれない。
(北村ともこ)