「私とこのまま話すには1000円必要」人生の指南役・美輪明宏が使われた詐欺の姑息!

 有名人の名をかたる詐欺被害が広がる中、今度はタレントの「美輪明宏」がターゲットになってしまった。

 4月上旬、大阪府岸和田市内に住む60代女性の携帯電話に、見覚えのないアドレスから一通のメールが届いた。女性はそのメールの説明のままにあるインターネットサイトに登録すると、LINEメッセージで「私は美輪明宏です」と送られてきたという。

 その後、女性は美輪明宏を名乗る人物とやり取りを重ねたというが、「私とこのまま話すためにはポイントが必要。そのために口座に1000円を振り込んで欲しい」といわれ、銀行でATMを操作。使い方がわからずとまどっている女性を不審に思った銀行員が声をかけ、幸いにも事件は未遂に終わった――。

 女性は駆けつけた警察と話すうちにようやく事態を飲み込んだというが、「お金を振り込まないと美輪明宏と話せない」と、信じて疑わなかったという。

「なぜ美輪明宏?」と思った人も多いだろうが、美輪は2005年から09年にかけて放送された「国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉」(テレビ朝日系)をはじめ、「美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室」(NHK Eテレ)などの番組出演で、不安や悩みごとをやさしく聞いてくれるイメージが強く、詐欺師から「話し相手」に適任とみなされたのだろう。

「かつて、携帯の待ち受け画像を美輪さんの写真にすると幸せになるというジンクスが大流行しましたが、美輪さんは人生の指南役として、その発言などが世間から頼りにされている。高齢の方は特に慕っているファンが多いでしょう。今回未遂に終わった件では、最初は1000円と安価ですが、そのまま振り込んでいれば最終的に大金をむしり取られていた可能性がある。巧妙とも思えますが、ずいぶんと姑息な詐欺があるものです」(詐欺問題に詳しいジャーナリスト)

 美輪の公式ウェブサイトにも「美輪明宏はYouTube・Twitter等SNSは一切やっておりません。メール等を送信する事もあり得ませんのでくれぐれも“なりすまし”にはご注意ください」と注意喚起されているだけに、この手の詐欺が多く報告されているのかもしれない。ただ、騙されるのはなにも高齢者とは限らない。何の接点もない有名人から連絡が来たら、詐欺と疑った方がいいだろう。

(ケン高田)

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