日ハムが去った札幌ドーム「ネーミングライツ売却」でも消せない市民の不安「赤字補填は税金で」

 札幌ドームの施設命名権(ネーミングライツ)が売りに出される——この一報に対する北海道の地元関係者や札幌市内の財界人の反応は、「今さら…」「やっぱり」などという、冷めた反応が少なくなかったという。

 今年5月13日、札幌市の秋元克広市長は「令和4年第3回定例市長会見」で、日本ハム移転後の札幌ドームの運営方法について、「今後は1万人から2万人程度のイベント、コンサートにも対応できるようにする」と語った。そして、その直後には、収支予想額を含めた見直し案も発表している。

「見直し案によると、2万人程度のイベント等に対応するため、札幌ドーム内に、内野と外野を仕切るようなロールカーテン機を設置するとしています。2023年はその設置費、コロナ禍の影響が残りますが、24年から27年は19億円台の売上高で推移していくと発表しました」(地元メディア)

 24年以降は黒字に転換できるとも伝えられたのだが、札幌市民は、《日本ハム移転後、本当に大丈夫なのか?》と、不安を隠せないのだ。

「札幌市は建築費の返済期間を延ばすことも発表しましたが、それでも健全経営の見通しは明るくない。そこで浮上したのがネーミングライツです。実は、札幌ドームの命名権売却は過去にも話が出ているんです。市が10年度、『年間5億円、5年以上』を条件にスポンサー企業を募集したのですが、高額過ぎて売却先は決まりませんでした」

 今回は「年間2億円程度」の売却額だと言われているものの、それで黒字経営を続けられるのかは未知数だ。仮に赤字となれば、その不足分を補填するのは税金となる。

 札幌市は「税金で補填することなはい」との考えを示しているが、果たして…。

(スポーツライター・飯山満)

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