米国を拠点に活動中の真田広之が主演・プロデュースを務め、現在ディズニープラスにて全世界で配信中の時代劇「SHOGUN 将軍」。80年に三船敏郎、島田陽子らが出演した同名の米国ドラマのリメイク版で、脚本には「トップガン マーヴェリック」を手がけたジャスティン・マークスが起用されている。
ちなみに第1話、第2話が同時配信されたのは今年2月27日。配信開始から6日間の再生回数は、ネット配信されたドラマシリーズでは世界歴代1位の900万回。数ある名作ドラマを差し置いて、日本の時代劇がトップを獲るという偉業を成し遂げた。
だがそのウラで、日本のテレビ関係者の間では“ある懸念”が囁かれている。ほかでもない、大河ドラマ離れの加速だ。
「SHOGUNの制作費は非公開ですが、最低でも100億円以上と言われます。一方、大河ドラマはNHKが公表した令和5年度の『収支予算と事業計画の説明資料』によれば、制作費は1話につき7900万円。今年の『光る君へ』は全48話になると見られており、総製作費は37億9200万円になります。国内のテレビドラマではダントツに多いですが、ネットドラマに比べれば圧倒的に劣ります」(テレビ誌編集者)
ハリウッドの大作映画のようなSHOGUNの映像クオリティの高さは世界中から称賛を集めている。そのため、日本の時代劇ファンからも《これと比べたら大河ドラマの映像は見劣りしてしまう》《大河は映像からスケールの大きさが感じられない》など厳しい声も飛んでいる。
「海外では今回の作品のヒットもさることながら、日本観光の人気も加わって時代劇の評価が高まっています。今後、日本の時代劇が動画配信会社で製作されて世界的に大ヒットする可能性もあるでしょう。俳優にとっても全世界配信は魅力的ですし、出演料も大河ドラマとは比較にならないほど多くなるはず」(同)
ちなみに大河ドラマの場合、主演クラスでも出演料は1話あたり30~40万円とされている。その点、海外ネットドラマでは1話につき1億円を超えるケースも珍しくない。
「大河ドラマは昔ほどステータスではなく、時間的拘束も多いため今後は出演オファーを俳優も増えると思います。ネットドラマで面白い時代劇が見られるようになれば、視聴者を繋ぎとめるのは容易ではありません」(同)
どうやら大河ドラマのライバルは民放の裏番組ではなかったようだ。
※画像はディズニープラス公式Xより