東京のホテル相場は1泊3万円!「2年前の倍」に急騰した困った要因

 利用者が減って格安だったコロナの時期から一転、全国的に値上がりが続くホテル料金。なかでも激しく高騰しているのが東京だ。

 大手旅行サイト「トリバゴ」の「trivago Hotel Price Index」によると、24年4月の東京のホテル相場は3万円目前の1泊2万9840円。22年4月が1万4339円だったため、この2年間で208%増となんと倍以上になっている。

「アジアの主要都市ではシンガポールに次いで2番目に高い相場です。5万円のニューヨークや3~4万円台の欧米の大都市に比べれば安い部類ですが、それでもベルリン(ドイツ)やウイーン(オーストリア)、メルボルン(オーストラリア)などより東京のホテル代のほうが高いという結果が出ています」(旅行誌編集者)

 物価水準では低いにもかかわらず、ホテル代は東京のほうが上回るという逆転現象の要因は何なのか?

「東京の場合、海外に比べると富裕層向け高級ホテルの数が世界の大都市の中では極端に少なかったんです。しかし、最近は東京駅のある千代田区を中心にそうしたホテルが続々と誕生しており、結果的に東京のホテル相場全体を押し上げています。困ったことに従来型のビジネスホテルも高騰しており、23区内だと1泊1万5000円以上のこところも多くなっています」(同)

 こうした状況に悲鳴を上げるのは、出張で東京に訪れる機会の多いビジネスパーソンだ。中小企業の場合、現在の東京のホテル相場は会社で認められた経費を超えてしまうからだ。

「そのため、カプセルホテルに泊まったり、都心から離れた多摩エリアや千葉、埼玉など宿泊料金が安い郊外のビジネスホテルに宿をとるケースが目立ちます」(同)

 カプセルホテルの室内ではパソコンを開いて仕事もできず、郊外のホテルだと満員電車に揺られて都心まで行かなければならない。ホテル代の高騰によって出張族の苦労も倍になっているようだ。

(高島昌俊)

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