コロナ前のように国内旅行を楽しむ人が増え、インバウンド復活で外国人旅行者が戻ってきたが、それに伴い、新たな問題も起きている。
旅行需要がV字回復したことでホテルが満室になることも珍しくなく、これに頭を抱えているのが出張の多いビジネスマンたちだ。
「ホテル確保が特に難しいのは北海道。札幌をはじめ、函館や旭川など道内の主要都市はどこも連日満室に近い状態です。かろうじて空室はあっても1人1泊1万円以下では見当たらず、予約サイトではビジネスホテルでも1万5000円や2万円という料金が当たり前のように表示されています」(旅行誌編集者)
今の北海道は夏の観光シーズンで、年間を通じてもっとも観光客が多い時期。以前から夏場は宿泊料金が高騰していたが、今年は例年以上にその傾向が顕著になっているという。
「現在、新千歳空港には1日30本近い便が就航しており、韓国、台湾、香港、中国などアジア圏を中心に外国人観光客が殺到しています。また、日本人も猛暑の影響で少しでも涼しい場所で過ごそうと避暑を兼ねて旅行先に選ぶ人が多いのです」(前出・編集者)
今のところ北海道以外では連日の満室やホテル代が高騰している地域はないようだが、今後の状況は予測がつかないという。
「首都圏では東京23区内や横浜のホテルがほとんど埋まっている時期もあり、大阪にしても同様です。このままだとコロナ前を上回る客数になる可能性が高く、各地で北海道のようになることも十分に考えられます。そうなれば直前に出張が決まったビジネスマンは『ホテル難民』になりかねません」(前出・編集者)
コロナ禍を必死に耐えたホテル業界にとっては嬉しい悲鳴かもしれないが、利用者にとっては必ずしも喜ばしい状況ではないようだ。