Xが無料で付与「青バッジ」を非表示にするアカウントが続出した「もっともな理由」

 Xのアカウントに表示される「青バッジ」は、かつては有名人や著名人であることを公式に認める「信頼の証」であり、最近では有料プランである「X Premium」の加入者に付与される認証バッジでもあった。だが、このところ、有料プランに入っていないにも関わらず、いつの間にか青バッジが付いていたという報告が相次いでいるという。

「青バッジが無料で付与されたとの報告は4月4日から寄せられるようになり、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ役で知られる声優の緒方恵美さんも、『先程突然バッジがつけられた訳なんだけど。私は申し込みしてないんですよね』と投稿しています。この他にも有名人や大手企業のみならず、一般のアカウントからも青バッジが付いたとの報告が相次ぎ、X公式からは特に発表もなかったことから、乗っ取りを心配する声もありました」(フリーライター)

 実は、3月28日にXのオーナーであるイーロン・マスク氏が、今後は2500人以上のフォロワーを持つすべてのアカウントに有料プランである「プレミアム」を無料で付与し、5000人以上のフォロワーを持つアカウントには「プレミアムプラス」を付与する、と自身のアカウントに投稿しており、どうやらそれが実行に移されたようだ。

 ところが、今では青バッジを付けたくないと考える人も少なくないようで、付与された青バッジをさっそく非表示に設定したと報告するアカウントも見られるという。

「かつての青バッジは公式に認められたアカウントだけが付けられる貴重なものでしたが、今では有料プランに入っていれば誰でも付けられるようになっていました。しかも、広告収入を得るために人気アカウントのコメント欄に無意味なリプライを繰り返したり、人気投稿をそのまま丸写ししてポストしたりしてインプレッション(表示回数)を稼ごうとするアカウントに青バッジが付いていることも多く、『青バッジはインプレゾンビの象徴』とも言われていたんです。今回、青バッジが大量付与されたことで、《インプレゾンビが見分けづらくなった》《自分がインプレゾンビになったみたいで嫌》といった声もあり、無料の青バッジは次々と非表示にされてしまっているのです」(ITジャーナリスト)

 もはや青バッジは、ただのありがた迷惑でしかなくなってしまったのかもしれない…。

(小林洋三)

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