ついに4万円を超え、さらに上昇を続けている日経平均株価だが、同様に上がり続けているのが不動産、特に新築マンションの価格だ。
不動産経済研究所の調査によると、2023年の東京23区内の新築分譲マンションの平均価格はバブル期の8667万円を大きく超えて、なんと1億1483万円。首都圏全体でも8101万円となっており、前年から28.8%も上昇しているのだ。
「中古マンションの相場も高騰しており、都内では築10年前後でも億越えの物件がありますね」(住宅情報誌編集者)
こうした高額のマンションを購入する場合、仮に分譲価格の2~3割を頭金で用意できても住宅ローンの返済額は年間でおおよそ300万円を超す。一般的に住宅費は収入の3分の1に抑えるのが目安とされているが、世帯年収1000万円でも家計が破綻する可能性は低くないという。
「ローンだけでなく、小中学校から子供を私立に通わせればさらに支出は増える。食費などの物価も地方よりは高いことを考えると世帯年収1500万円ですらギリギリのラインと言われています」(前出・編集者)
とはいえ、年間の収入が1500万円を超える世帯となるとそう多くはないだろう。では、都内を出たらどうか。だが、同研究所の調べでは、神奈川県の新築マンションの平均分譲価格は6069万円で、埼玉県は4870万円、千葉県が4786万円と、決して安くはない。
「世帯年収がそれほど多くなく、しかも子供が2人以上いる場合、都心から30キロ以上離れた郊外の物件しか選択肢がないかもしれません。交通費を全額負担する会社なら思いきって群馬や栃木、静岡に住み、新幹線通勤という方法もありますね」(前出・編集者)
もはや一般庶民にとって都内にマイホームを持つことは「夢のまた夢」ということか…。