「ドラゴンクエスト」が3DCG映画化決定で脳裏をよぎる過去の大失敗

 国民的な人気を誇るTVゲームシリーズ「ドラゴンクエスト」が3DCGを使ったアニメ映画として公開されることが2月13日、発表された。ドラクエシリーズの中でも人気が高い第5作目「ドラゴンクエストV天空の花嫁」を原案にするという。

「ALWAYS 三丁目の夕日」や「SPACE BATTLESHIP ヤマト」で知られる山崎貴氏が総監督と脚本を務め、ドラクエシリーズの生みの親である堀井雄二氏が監修する。音楽はドラクエの音楽を担当しているすぎやまこういち氏。豪華スタッフ陣に期待は高まるばかりだが、ゲームファンには悪しき前例の記憶がよみがえり、不安を募らせているという。

「“超人気RPGの映画化”と“3DCG”と聞けば、ゲームファンなら誰もが映画の『ファイナルファンタジー』を思い出すはずです。同映画は当時としては極めて画期的な3DCGで描かれ、2001年に公開されました。通称『FF』と呼ばれるゲームのファイナルファンタジーはドラクエと並ぶ人気RPGシリーズで、映画も期待されましたが興行的には大コケに終わりました」(ゲームライター)

 映画の製作はFFシリーズの生みの親である坂口博信氏がメガホンを執り、スクウェア(現スクウェア・エニックス)は映画のためにハワイにスタジオを開設。1億3700万ドルもの制作費をかけて作られた。日本に先駆けてアメリカで公開されたが、評価はさんざん。結局、興行収入は8500万ドルに終わっている。

 映画の失敗を受けてスクウェアは経営が悪化。ソニー・コンピュータエンタテインメントから資本援助を受けて持ち直した。スクウェアは02年にドラクエのエニックスと合併したが、映画の失敗による経営悪化が理由の1つだとされている。

「そのスクウェア・エニックスが再び3DCGで映画化するわけですから、ゲームファンが心配するのも当然でしょう。今度、経営が悪化すれば、ドラクエ、FFのゲームにも影響があるかもしれないと考えるファンもいるようです。ただ、今回はドラクエの権利を貸し出すだけで、製作するわけではないようなので心配無用でしょう」(エンタメ誌ライター)

 映画「ドラゴンクエスト」の公開は8月2日。出来栄えに期待したい。

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