著名人「急死続出」で緊急調査 本当に痛い病気15(2)呼吸するのも辛い末期の膵臓癌

 このほか、脳表面の膜と脳の空間にある血管が切れて出血するくも膜下出血、胆嚢内でコレステロールなどの結晶ができる胆石、膵臓に炎症が起こり、時に黄疸や熱が伴う膵炎、「もうちょう」として知られ、治療の時期を逃すと重い合併症をも引き起こす虫垂炎、前頭部から目の周辺に激しい頭痛が起こり、数週間から数カ月にわたり群発することもある群発性頭痛、顔の感覚を脳に伝える神経が圧迫され、顔を「ナイフで刺された」ような痛みを伴うこともある三叉神経痛、いわゆる顔面神経痛などが、「3大」と類して、身近で罹りやすく、激しい痛みを伴う病気として挙げられるという。

「三叉神経は、顔の左右にあり、顔面の半分の感覚をつかさどっている。この神経が刺激されると『痛み』として認識され、目、鼻、歯ぐきなどに激痛が起こります。洗顔、歯磨きなどちょっとした刺激で発症することもあります。三叉神経痛は人間が感じる痛みの中でも最も痛い痛みと言われ、かつては、激痛を苦に自殺する人もいたほど」(医療ライター)

 また、更年期障害としてこのところ取り上げられることが多い帯状疱疹、中高年の女性での発症が多く、関節の痛みを伴う関節リウマチ、体の広範な部位に疼痛をきたす原因不明の慢性疾患で、リウマチ性疾患に分類される線維筋痛症が、代表的な「激痛病気」として挙げられるかもしれない。

 だが忘れてはいけないのが、日本人の死因の上位を占める「3大疾病」の癌だ。癌は、とりわけ末期になると、多大な痛みを伴うことで知られる。

「ただ同じ癌でも、膵臓癌は『癌の王様』と称されることもあって、絶対になりたくない病気の1つと言えるでしょう。ステージⅣあたりになると、背中や腰の痛みが激しくなり、息をするのもつらいほど。膵臓は後ろに腹腔神経叢が控えていて、癌がここを圧迫することにつながるため、痛みが伴いやすいのです」(医療ライター)

 癌では他にも、「沈黙の臓器」と呼ばれ、発見が遅れがちながら、腹水がたまって体力低下はもちろん、闘病の意欲さえ削がれる肝臓癌、胸水がたまりやすく、呼吸が困難になる肺癌などは、同じ癌でもだいぶ厄介なのだとか。

 さらに加えて、癌が厄介なのは、癌そのものの痛み以外にも、幅広い苦痛が伴うことにあるという。

「癌は末期になって腫瘍が大きくなり、また全身に転移でもすれば、それだけ神経を圧迫するようになるので、痛みは増します。ただ腫瘍が直接神経を圧迫しなくとも、例えば肺癌で胸水がたまればその圧迫感で痛みが生じますし、胃癌や大腸癌で腹水がたまると、出っ張ったお腹のバランスを体が保とうとするため、腰の方が痛くなったりもします。さらに癌の場合は、手術で摘出できたとしても術後の痛みが数カ月も持続する人もいれば、抗がん剤などの化学療法の影響で、手足のしびれなどの苦痛を伴うこともあり、その弊害は幅広く及ぶものなのです」(佐藤氏)

 今や癌は2人に1人が罹患する国民病なだけに、他人事ではないのである。

(つづく)

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