著名人「急死続出」で緊急調査 本当に痛い病気15(3)世界一痛い「群発性頭痛」

 ところで、これら厄介な病気の多くは、生活習慣病に起因すると言われる。痛風、慢性膵炎、胆石、心筋梗塞や狭心症は、お酒の飲みすぎ、不眠、過労、ストレス、コレステロールの多い食事などの悪弊が引き起こすものとされている。

 ただ「痛み」はつらさを伴う一方、体の変調を知らせるサインとしては、有効だ。

 原疾患の治療の一方、普段は軽視されがちな「痛み」の診断と治療に重きを置く、日本ペインクリニック学会の代表理事で、順天堂大学医学部教授の井関雅子教授によれば、3大疼痛以外の痛い病気も、「痛みを取るのはそれほど難しいことではない」と語る。

「心筋梗塞、痛風や尿管結石なら痛み止めの薬を注射もしくは服用すれば、痛みを取るのはそれほど難しいことではありません。そして薬で痛みを取りながら、原疾患の治療に当たることで、治療後には痛みもなくなりますからね」

 痛いことで代表的な病気のうち、生命の危険を知らせるサインではない、「ムダな痛み」とでも言うべき痛みを伴う、群発性頭痛や三叉神経痛の方が厄介であり、その他の難治性疼痛も多く存在しているという。

「三叉神経痛は発作性の強い痛みで、内服薬のみでは痛みが緩和しないこともあります。群発性頭痛は、有効な治療薬が少なく、男性に好発、飲酒が誘因になることもあり、明け方によく起こりがち。目の奥から頭部を打ち砕かれているような痛みに襲われて、個人的には世界で一番痛いのではないかと思います」(井関氏)

 無意味な痛みで、処方箋薬もなし、その上、痛みも最上級というのだから、救いようのない「最凶」の病気だろう。

 前述の癌の痛みもそうだが、日本ペインクリニック学会では、この「実は厄介」な痛みを主な治療の対象としている。激しい、あるいは原因不明の痛みで悩まされている場合は、学会登録の医師に相談してみるのも有効な手だろう。

「週刊アサヒ芸能」3月28日号掲載

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