NHKのネット事業はアリかナシか。反対派の人からは「テレビがなくてもスマホで課金か」と“不要論”が叫ばれ、その賛否がここ数年議論されてきた。しかし結局は“結論ありき”で、3月1日にはNHK番組のネット配信を“必須業務”にする放送法改正案が閣議決定された。今国会で成立すれば、「スマホ課金」に道が開かれることになる。するとさっそくNHKが動いた。
「3月7日に朝日新聞が報じたところでは、NHKがネットで運営していた独自サイトを閉めるという。指摘されているのは『政治マガジン』、『事件記者note』、『国際ニュースナビ』、『サクサク経済Q&A』、『サイカル』、『アスリート×ことば』の6サイト。これらサイトは、NHKが『独自事業』として運営していたもの。ところがネット事業が『必須事業』になるので、3月29日をもってこれらサイトの更新を停止し、4月以降は改正案に沿った『番組に密接なもの』に改める予定とのことです」(全国紙記者)
いや待て、閣議決定はされても改正案が成立していないではないか。などと言っても、そこは既成事実としてしまう辺り、やはり当該議論が総務省を交えての「結論ありき」だったのだから、どこ吹く風ということなのだろう。「独自」の事業としてサービスを勝手に広げて展開し、有用性を誇示したらサッさと閉める。逆に言えば、何とも分かりやすい。そこには、停止されるサービスに親しみを覚えたユーザーへの配慮といったものは不在。つい最近も見た光景だ。
「NHKでは昨年12月1日にBS放送のリニューアルを行い、新2K、新4K放送スタートのために衛星の1チャンネルが消滅しました。その際NHKは、再放送が減るだけでサービス本数が減るわけではないと強弁していましたが、過去のノンフィクション作品などNHKならではの再放送枠が無くなったことを残念に思っている視聴者は、意外に多い」(同)
自らの施策優先で、ユーザーの意向無視な姿勢は相変わらず。だから多くの人が「いらない」と言っているムダなバラエティー番組制作に余った受信料を垂れ流しているわけか。