NHKが沢尻エリカの代役に求めるのは知名度や表現力ではない!?

 11月16日に女優の沢尻エリカ容疑者が薬物事件で逮捕されたことにより、窮地に陥っているのがNHKだ。1月5日にスタートする大河ドラマ「麒麟がくる」では、織田信長の正室とされる濃姫(帰蝶)を沢尻が演じており、代役に誰を立てるのかに世間の注目が集まっている。

「代役を務めるには乗馬ができることという条件があり、必然的に候補者は絞られてきます。ネット上では広瀬アリスや剛力彩芽の名前が取りざたされているほか、ウルトラCとしてのんの名前をあげるケースも。しかし誰が沢尻の代わりを務めるにせよ、代役が決まれば話は終わりというわけにはいかない状況です」(テレビ誌ライター)

 本作の撮影は6月に始まっており、現時点ですでに第10話までが収録済みだという。その10話をすべて編集し直すためには同じキャストを集め、同じセットやロケ地であらためて撮影する必要がある。だが大河ドラマの出演者は大物ぞろいで、おいそれと「全員集合!」というわけにはいかないのは明らかだ。

 そこで注目されるのが、NHKの技術力を総動員した「荒業」だというのだ。NHK放送技術研究所(NHK技研)の取材経験を持つ前出のテレビ誌ライターが、こんな見立てを明かす。

「同じキャストでの再撮影ができないなら、既存の映像に合わせて代役が演技すればいいのです。そしてNHKが世界に誇るデジタル編集技術を駆使し、沢尻の映像と代役の映像を差し替えてしまえば、まるで最初から代役女優が出演していたように見えることでしょう。そのためには既存映像を見ながら、沢尻の動きを完全にトレースできる高い演技力が必要。すなわち代役女優に求められるのは細かな表現力や存在感よりも、パントマイムさながらに自分の体を制御できる能力ではないでしょうか」

 ドラマの世界では、一人二役のキャスト同士が会話している映像がアナログ時代から作られている。そう考えれば最新のデジタル技術があれば、画面中のキャストを一人入れ替えるくらいのことは可能ではないだろうか。

「幸いにも時代劇では、キャスト同士がハグするといった密着シーンがほとんどないので、映像の差し替えは難しくないはず。また乗馬シーンでは一人で映るシーンが多いので、他のキャストを集めることなく再撮影が可能。1月5日の初回放送までは残り7週間を切っていますが、いざ放送が始まれば他の主要キャストたちも、自分たちが代役女優と一緒に映っている映像を見て、驚くことになるのでは」(前出・テレビ誌ライター)

 映像の編集と言えば、闇営業事件で吉本興業を解雇された宮迫博之の姿を画面から消し去った「アメトーーク!」(テレビ朝日系)を思い出す人も多いはず。今回の「麒麟がくる」では、その映像をはるかに上回る驚きのテクニックを目の当たりにできるのかもしれない。

(北野大知)

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