オカルトブームに警鐘を鳴らした上岡龍太郎/もう一度見たい「昭和の名物司会者」ベスト30(2)

 2位にはいかりや長介がランクイン。

「8時だョ!全員集合」(TBS系)では生中継の会場に集まったちびっ子たちにいかりやが威勢よく放つ第一声は「おいっす!」。挨拶の後の集団コントや「少年少女合唱隊」はいかりやを軸に回っていくが、司会というよりは、ドリフのリーダーというイメージ。

 一方、「ドリフ大爆笑」(フジテレビ系)では、コントが始まる前にいかりやが、落ち着いた口調で季節の話などをひとり語り。

「あの場面でのいかりやさんの日本語は『ございます調』。とても流暢で美しかったですね。『お風呂と申しますと銭湯。最近では‥‥もしもこんな銭湯があったら‥‥』いかりやさんが銭湯の暖簾をくぐると、『やたら威勢のいい銭湯』でメンバーに脱がされ、お湯をぶっかけられて手荒にシャンプーで洗われて何度も湯船に沈められる─という一連のコントに突入するわけです。その落差が最高なんですよね」(タレント・徳光正行氏)

 3位には上岡龍太郎、4位には横山やすし・西川きよし(77)の関西勢が入った。徳光氏は上岡の東京進出後の「オカルト批判」が心に響いたという。

「『EXテレビ』(読売テレビ)の企画で『占いを告発する』をやられてました。『今からあなたの頭を叩くか叩かないかを占え』と。あと『ムーブ・上岡龍太郎の男と女ホントのところ』(TBS系)で『幽霊を見てしまった50人』という企画をやったり、オカルトブームに真正面から警鐘を鳴らしたのは上岡さんぐらい。きっちりと芸能界を引退する潔い身の引き方は巨泉さんを彷彿させます」

 作家・亀和田武氏は「上岡龍太郎は天才」と評する。

「上岡さんは、ロカビリー歌手だった中村泰士さんに憧れて鞄持ちをやっていた。中村さんは作曲家に転身し『喝采』『北酒場』の作曲をしてヒットメーカーになるわけですが。誰かの付き人をしてからデビューすると肝が据わるし、芸能界独特の匂いが付く。ジャニーズタレントが司会をするのとは全然違いますね」

 やすきよ司会の真骨頂と言えば「プロポーズ大作戦」(ABC)が挙げられる。

「後半の『フィーリングカップル5VS5』が楽しみだった。カップル成立後、おでこやほっぺなど、女性が指定した場所にキスができた。観覧席からは嵐のような『おーまかせ!』コールで熱気ムンムンだった」(57歳運送業)

 これも令和バラエティーならすぐにコンプラ違反だとさ。

■もう一度見たい「昭和の名物司会者」TOP30と主な出演番組(※1000人アンケート)

11位:秋本奈緒美(106票)オールナイトフジ

12位:みのもんた(104票)プロ野球ニュース

13位:田宮二郎(101票)タイムショック

14位:小林克也(97票)ベストヒットUSA 

15位:所ジョージ(92票)TV海賊チャンネル

16位:萩本欽一(90票)欽ちゃんのどこまでやるの!

17位:桂三枝(87票)新婚さんいらっしゃい!

18位:利根川裕(83票)トゥナイト

19位:児玉清(82票)パネルクイズアタック25

20位:徳光和夫(81票)ズームイン!!朝!

(つづく)

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